自然薯(じねんじょ):旬の時期と特徴や産地

●自然薯(じねんじょ)とは

◆ヤマノイモの仲間

 自然薯は一見長芋(ナガイモ)とも似ていますが別種にあたり、風味も異なり、市場価値も格段の差があります。一般に山芋と呼ばれるものには、大きく分けてヤマノイモ、ジネンジョ、ダイジョの3つの種類に分かれます。ここではこの中のジネンジョについて紹介しています。

◆ヤマノイモ科ヤマノイモ属

自然薯の蔓と葉

 自然薯(じねんじょ)は自然生(じねんじょう)とも呼ばれ、日本が原産のヤマノイモです。その名が示すとおりかつては山に自生している天然のものを収穫していましたが、近年では栽培が盛んに行われるようになり、まっすぐに伸びた綺麗な形の物が市場に流通しています。

 もともと野生種で山菜の王者と呼ばれ古くから珍重されてきました。芋の部分だけでなく蔓にはムカゴと呼ばれる大豆ほどの実を付け、これも食用になるほか、春には新芽も山菜として食用とします。

◆短形自然薯

 自然薯には一般的な細長く伸びていくタイプといちょう芋などのように塊になる短形自然薯と呼ばれるタイプがあります。この短形自然薯は綺麗に真っ直ぐ伸びるように栽培された自然薯に比べ格段に安い価格で販売されています。

短形自然薯

◆自然薯の特性

 自然薯は地上部分に長い蔓を伸ばします。葉の形は細長いハート型で、先が細く尖った形をしていて、秋になると葉の付け根部分にムカゴと呼ばれる実をつけます。地下の芋の部分は秋に肥大しますが、冬に地上部が枯れ、春になるとその芋の先から新たな芽が伸び成長し、地上部が伸びていくに従い芋の養分を吸ってしまうのでしぼんでいきます。そして秋になると元のより更に大きく肥大して行きます。天然の物の場合だと5年くらいかけて成長を繰り返し1mほどの大きく長い芋と成ります。

 栽培物の場合は早いものだと種芋を定植してから1年、長いものでも3年ほどで収穫されますが、サイズは1年でも1mを越すものが採れるようになります。

●自然薯(じねんじょ)の主な産地は

◆全国各地で自生と栽培

収穫したばかりの自然薯

 自然薯は全国各地の山に自生しているので、山に入ってがんばって探せば、運が良ければ見つけることが出来るでしょう。ただ、掘った後は必ず元に戻して置いてくださいね。

 栽培も各地で行われるようになりましたが、まだまだ数量は限られ、また手間もかかることから価格は長芋の数倍から10倍ほどもします。1kgあたり2500円から3000円といったところでしょうか。

 ただ、政府の統計データでは自然薯だけでの数量は把握されておらず、他のつくね芋やいちょう芋などと合算されてしまったものしか公表されていません。

◆自然薯の栽培方法

 自然薯は、芋が細長く地下深くまで伸びる性質があるので、通常栽培には半円形のトヨ型や筒を斜めに埋め、その中を芋が伸びていくようにされています。そうすることでまっすぐな形と、掘り起こしやすさを得ることが出来ます。

栽培自然薯の収穫作業

 写真は滋賀県栗東市の「こんぜ自然薯研究会」の畑にて撮影

●自然薯(じねんじょ)の旬は

◆自然薯の主格時期と食べ頃の旬の時期

 自然薯は早いものでは10月中旬辺りから収穫されますが、通常は11月中旬から雪が降る12月いっぱいあたりが収穫時期となります。特に自然薯はお歳暮や正月用に出荷される事が多く、その時期が最盛期と成ります。

収穫したばかりの自然薯(じねんじょ)

 掘り出された芋は貯蔵性もあり、適温下では約半年間保存され出荷されています。

 食べ頃の旬の時期はやはり掘り出されてすぐの11月中旬から1月となります。

旬のカレンダー
品種 10月 11月 12月 1月 2月
自然薯(じねんじょ)                              
むかご                              
自然薯・じねんじょ・ジネンジョ

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