フクタチ:特徴や産地と旬
●フクタチとは
◆秋田県南部発祥のとう立ちした白菜
「ふくたち」は品種の名前ではなく、秋に種をまき、越冬させた白菜がとう立ちしてきたところを収穫したもので、元の品種は一般的な「ハクサイ」なんです。
「ふくたち」は秋田県南部が発祥とされ、もともとはハクサイとして良い状態に育たなかったものをそのまま畑に残して越冬させたところ、春になって塔立ちし始め、それを食べたところとても美味しかったので、それが広まったというのが始まりだったそうです。
1982(昭和57)年には秋田県南部の青果卸売市場に出荷が始まり、徐々にその美味しさが地元の方達に認知されるようになり、2014(平成26)年になってJAうご新成園芸組合によって「ひばり野ふくたち」という名前で商標登録されるに至っています。
◆フクタチの特徴
「ふくたち」は厳しい冬の寒さの中をじっと耐え、春に種を残すために花芽を伸ばそうととう立ちします。外見は若い白菜のようにも見えますが、中にはしっかりとした「とう」となる軸が育っており、この軸の部分が甘みがあって美味しいのです。
大きさは若どりされた山東菜(べか菜)ほどで、ハクサイではありますが結球はしていません。
そして中心部にはとう立ちし始めた軸が伸び、その先に花芽が出来ています。
●フクタチの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「ふくたち」の主な産地はもともとの発祥地である秋田県南部で、現在市場にはJAうご新成園芸組合で栽培されたものが「ひばり野ふくたち」という名前で出荷されています。
◆フクタチの収穫時期と旬
「ふくたち」は秋に種をまき、ハウスで越冬させたのち、とう立ちしなじめる3月頃から収穫が始まります。
旬は3月から4月の春です。
品種 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | ||||||||
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フクタチ |
●フクタチの選び方と保存方法
◆葉が黄色くなっていないもの
選ぶ時は葉が生き生きとしているものを選びます。鮮度が落ちるにしたがって外葉が黄色くなってきます。
また、とうが伸びて花が咲いているものも避けましょう。
◆保存は立てた状態で野菜庫に
葉野菜全般に言えることですが、冷蔵庫に入れておく場合は濡れた新聞紙などにくるみビニール袋などに入れて、なるべく立てた状態で入れておく方が野菜にストレスをかけずいい状態で長く持ちます。
●フクタチの美味しい食べ方と料理
◆調理のポイント
基本的には他の菜っ葉類と同じ料理で美味しく頂けます。多くの葉野菜では軸の部分を取り除くことも多いのですが、「ふくたち」は中心にある軸の部分に甘みが多く食感もいいので、この部分を捨てないこと。
◆下処理
下茹でする場合は軸の部分に火が通りやすい様に、根元に十字に包丁を入れてから茹でます。茹で時間は沸騰させている中に投入し3分ほど。
炒め物に使う場合は下茹では必要ありません。ただ、軸の部分が太い場合は縦に切り分けた方が良いでしょう。
◆主な料理
「ふくたち」は下茹でしたものを胡麻和えやお浸しなどの和え物にする事が多いです。また、みそ汁などの汁物にも使えるほか、いろいろな炒め物や肉巻きにしても美味しいです。
◆フクタチを使った料理をレシピサイトで探す
主な料理レシピサイトのフクタチを使ったレシピのページにリンクしています。参考にされると良いでしょう。
クックパッド | 楽天レシピ |