パクチーファラン/ノコギリコリアンダー/オオバコエンドロ:特徴や栽培方法
●パクチーファランとは
◆セリ科ヒゴタイサイ属 (英)Long coriander
パクチーファランはその葉の形からノコギリコリアンダーとも呼ばれるセリ科ヒゴタイサイ属の多年草で、標準和名はオオバコエンドロと言います。「コエンドロ」はその昔江戸時代にオランダから伝わったコリアンダーを意味する呼び名で、パクチーファランは本来のコエンドロ=パクチーに対し葉が大きい事からこの名がついたのでしょう。名前にパクチーやコリアンダーと付いていますが、本来のそれとは同じせり科ではあってもまったく別の植物です。
パクチーとは同じ香りをもち、それがより強いことからタイやベトナムなどの東南アジアをはじめ、メキシコなどの中南米ではパクチーと同様に香味野菜として用いられています。
アジア料理などが国内でも普及し、海外旅行で現地で食した人から本場の味を求められるようになってきたことなどもあり、近年では国内でも少量ですが栽培され始め、そういった飲食店に出荷されているようです。
◆パクチーファランの特徴
パクチーファランの草丈は20~30cmで、葉の形状はその名が示すようにノコギリのような細長いギザギザが葉を縁どっています。葉の長さは10~15cm程で細長く、本来のパクチーとは全く違います。
食味は噛んだ時に強烈なパクチー香が口の中に広がりますが、苦みやえぐみなどはほとんどありません。(←栽培環境によって多少は苦みがある物も)
●栽培方法と植え付け収穫カレンダー
◆栽培環境
パクチーファランは本来熱帯性気候でよく育つ植物ですが、意外に寒さにも強く、凍らければ越冬もします。国内ではどの地域でも栽培は可能です。ただし、寒冷地の場合は、冬場は鉢などに植えて氷点下にならない室内に入れる必要があります。
発芽温度は15~20℃で、暑い真夏や気温が低い冬を避ければ春でも秋でも種が蒔けます。
繁殖力は旺盛で、草丈30cm程になると何本も塔立ちしはじめ、地味な花を沢山つけます。
食用にするのはなるべく柔らかい若葉で、直射日光に当たり過ぎると葉だけでなく周囲のノコギリ状のトゲが固くなり、食べた時に痛くなるので適度な日よけ対策が必要です。
◆パクチーファランの収穫時期と旬
春蒔き 3~5月 → 収穫 5月中旬~7月下旬
秋蒔き 9~10月 → 収穫 9月下旬~11月中旬
栽培カレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
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春蒔き | 種まき | ||||||||||||
収穫 | |||||||||||||
秋蒔き | 種まき | ||||||||||||
収穫 |