北之庄菜/きたのしょうな:特徴や主な産地と旬の時期
●北之庄菜とは
◆滋賀県近江八幡の伝統野菜
北之庄菜は江戸時代末期から昭和30年代頃まで、現在の滋賀県近江八幡市北之庄町周辺で作られていたかぶらの在来種で、同じ滋賀県の伝統野菜である「日野菜(ひのな)」の変異種と思われます。
時代の変化とともに、作物の転換が進み昭和40年頃には自然消滅し幻の野菜となってしまっていましたが、2000(平成12)年ごろ、ある農家の仏壇の奥にしまってあったマッチ箱の中から種が見つかり、それを蒔いて発芽した数株から復活に向けた活動が始まったそうです。
現在、近江八幡商工会議所や「北之庄郷の会」によって保護活動や地域ブランド化プロジェクトが推し進められています。
◆北之庄菜の特徴
今回入手したものは「北之庄郷の会」の大山氏の畑で1月21日に収穫していただいたものです。
葉は緑ですが、柄から葉脈にかけては綺麗な紫色で、かぶらの部分も地表に顔を出している部分は紫色に色付いています。かぶらの長さは10~15cmほどで、ぼてっとした下ぶくれの形をしています。
半分に切ってみると、表皮が紫色に色付いた部分も中の果肉は白く、スライスして食べてみると緻密で締りがあり、蕪というより固めの大根に近い食感でした。数日雪に埋もれた状態だったせいか少しクセがあるもののとても甘く感じられました。また、葉柄の部分も甘味があります。今回頂いたものは辛味は葉、蕪ともにほとんど感じられませんでした。
近江八幡商工会議所のホームページによると、『ほのかな甘みとほろ苦さがあり、アクは少々あるのが特長』『ほどよい辛みがある』と書かれています。
●北之庄菜の美味しい食べ方と料理
◆主に漬物用
北之庄菜はふるくからこの地ではぬか漬けなどの漬物用にされてきたそうです。その他、スライスして浅漬けにしたり、甘酢漬けもいいでしょう。
◆おろしても美味しい
北之庄菜は辛味大根のように水分が少なく、おろしても水っぽくならないので鍋などの薬味として使えます。
◆煮物にも
色々な煮物にも向いています。特に豚肉との相性が良いです。
◆炒め物
きんぴらなど油との相性も悪くないです。
●北之庄菜の主な産地と旬
◆主な産地
北之庄菜は現在の滋賀県近江八幡市北之庄町でつくられています。ここは水郷めぐりでも知られる八幡山のふもとから西の湖の間に広がる水郷地帯があります。
栽培されている地域が狭く生産者も少ないので一般市場にはほとんど出回らず、ほとんどが地元の飲食店や漬物の会社などで利用されています。
◆北之庄菜の収穫時期と旬
9月初旬から下旬にかけて種をまき、11月から1月にかけて収穫されます。
1月中旬に収穫していただいた様子はこちらをご覧ください。
品種 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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北之庄菜 |