片平あかね蕪/飛鳥あかねかぶ:特徴と旬や産地
●片平あかね蕪/飛鳥あかねかぶとは
◆片平あかね蕪は奈良県の「大和の伝統野菜」
片平あかねは、細い大根のような形をしていますが、カブの一種で、奈良県の片平地区で古くから作られ、地元消費されてきた伝統野菜です。2006(平成18)年に奈良県によって「大和の伝統野菜」の一つに指定されました。
それまでは外見が似ていることもあり、「ひの菜」と呼ばれていたそうですが、伝統野菜として扱われるにあたり、地域住民によって産地の地名を冠して「片平あかね」と命名されたとの事です。
現在片平地区では毎年、優良品種の選抜をかねた品評会が実施されているそうです。
一方、「飛鳥あかね」と呼ばれているものは基本的には同じ品種なのですが、「片平あかね」は片平地区で作られたものしか名乗れない事になっているため、種苗会社からは「飛鳥あかね」という名称で販売されており、他の地域で作られたものが「飛鳥あかね」と呼ばれています。
◆片平あかね/飛鳥あかねの特徴
最大の特徴はスリムな大根のような形と、その根の先まで真っ赤な色をしていることです。
12月に入り霜が降りることには太さが3cmほどになり、葉柄も鮮やかな赤い色になります。葉の形も大根のそれとよく似ています。
間引きされた若い物も食用になります。
写真は比較的まっすぐな形をしていますが、もともと曲がりやすい性質があるようで、くの字時に曲がっているものもよく見かけます。
果肉は断面の写真を見ると分かりますが、表皮近くは赤く、中は白地に部分的に赤い色が入っています。肉質はカブというより大根に似た感じで、食感も大根ほどみずみずしくはありませんが、コリコリと似た歯ざわりが楽しめます。
生で食べると辛味はなく、ほんのりと甘みがありとても美味しいです。
◆栄養価と効用
片平あかね/飛鳥あかねに含まれている栄養成分量は五訂日本食品標準成分表に記載がありませんが、基本的には「ひのな」と同じと考え参考にして良いと思われます。
●片平あかね/飛鳥あかねの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
片平あかねは奈良県北東部の端で、三重県との境に位置する山辺郡山添村にある片平地区です。
その他、奈良県の各地で飛鳥あかねが栽培されています。
◆収穫時期と旬
収穫は10月頃の間引きから始まりますが、根が太り、葉柄まで赤く色付くのは霜が降りる頃からです。食べ頃の旬は11月下旬頃から12月となります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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片平あかね 飛鳥あかね |