セロリ(セルリー):特徴や産地と旬

コーネル619 セロリ/セルリー

●セロリ(セルリー)の概要と特徴

◆セロリとは

分類:セリ目セリ科オランダミツバ属

学名:Apium graveolens(※ この後に細かい種小名が付く)

英名:Celery 仏名:Céleri

和名:セロリまたはセルリー

別名:オランダミツバ、清正人参

コーネル619 セロリ/セルリー

 セロリはセリ科オランダミツバ属の植物で、原産地は地中海沿岸、あるいはインド周辺という説など諸説ある。日本へは16世紀末に秀吉の命を受け朝鮮へ出兵(文禄・慶長の役)した加藤清正が持ち帰った中国種がはじめとされ、「清正人参(きよまさにんじん)」と呼ばれるようになった。

 また、現在一般的に栽培されているセロリに近いものはオランダ人が長崎に持ち込んだ西洋種で「オランダ三つ葉」と呼ばれていた。

 欧米では薬用の他、肉の臭み消しとして古くから煮込み料理やスープのベースなどに使われてきたが、日本に持ち込まれた当時は香りが強い為食用としては普及しなかった。それが戦後になって欧米の食文化が流入してくるとともに需要が発生し本格的に栽培されるようになった。

●セロリの主な種類

 セロリにはいくつかのタイプがある。一般的な厚みがあり大きな薄黄緑色のものは中間種あるいは黄色種と呼ばれるコーネル系の品種で、他に白色種や、茎の部分が緑色で香りが強い緑色種の「グリーンセロリ」とも呼ばれるミニセロリがある。また、茎が白くて細く、葉三つ葉のような「ホワイトセロリ」は白色種で、これを水耕栽培したものが「ホワイトミニセロリ」などの名前で出回っている。更にスープセロリや「芹菜(キンツァイ)と呼ばれている、中国を中心に作られてきた東洋在来種もある。セロリアックもセロリの仲間だが、別のコーナーで紹介している。

■セロリの産地と旬

◆一般的なセロリ コーネル619の特徴

 一般的なセロリはコーネル系と呼ばれる西洋種で、柄の部分の付け根が弧を描きながら幅広になっており、中間部分の断面がU字型になっているのが特徴。

 柄の部分は薄い黄緑色で根元部分は遮光されているため白いのも特徴で、緑種に比べ香りがマイルドである。

コーネル619 セロリ/セルリー

 一般のスーパーなどでは株のままではなく、枝を外して1~3枝ごとに袋などに入れて売られていることが多い。

 株の外側の枝ほど柄の根元が幅広で緑の部分が多く、株の中心部は光が当たらないために全体に白からクリーム色になっていて柔らかい。

コーネル619 セロリ/セルリー

 葉は大きな切れ込みがあり1枚の葉が三つ葉のように見えるものが多い。

●セロリ(セルリー)の主な産地と旬

コーネル619 セロリ/セルリー

◆セロリの主な産地と収穫量

セロリの主な産地と収穫量

 セロリの主な産地は国内では、長野県と静岡県で全体の6割以上を生産している。特に長野県は全国の約4割をも作っている一大産地である。次いで福岡県、愛知県とつづく。

 また輸入もされており、生鮮品は主にアメリカから、また冷凍品は主に中国から輸入され、それらの多くは業務用や加工用に使用されている。

◆セロリの収穫時期と旬

 セロリは夏から秋は長野、冬から春は静岡、春から秋は各地からと、通年どこかで栽培され、産地をリレーしながら出荷されており、旬という印象はあまり感じられない。あえて旬を選ぶならセロリに適した気候で露地物が出回っている春または秋でしょうか。

旬のカレンダー

●セロリの旬カレンダー

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
セロリ 静岡産(主にハウス)                        
長野産                        
ミニセロリ                        
芹菜 スープセロリ                        
ホワイトセロリ                        

< 出 典 >

※ 「Apium graveolens dulce - (Mill.)Pers.」Plants For A Future

※ 「野菜まるごと辞典」成美堂出版

※ 「野菜と果物の品目ガイド 野菜ソムリエEDITION」農経新聞社

※ 「セルリー(セロリ)」独立行政法人農畜産業振興機構

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