ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾ・タルディーボ
Radicchio Rosso di Treviso Tardivo

ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾ・タルディーボ/Radicchio Rosso di Treviso Tardivo

●タルディーボとは

◆イタリア野菜 Radicchio Rosso di Treviso Tardivo

 「タルディーボ」は面白い形をしていますが、トレビスチコリと同じ仲間のキク科の野菜です。イタリアで作られてきたトレビーゾと呼ばれる品種で、タルディーボは「晩生」という意味を表しています。逆に「早生」のものは「プレコーチェ」と呼ばれています。国内では極僅かしか作られておらずイタリアから輸入されたものが高級イタリアンレストランなどで使われています。本場イタリアでも栽培に手間がかかることから高級食材として扱われています。

 名前の”Treviso”はこのラディッキオが古くからヴェネト州トレヴィーゾ県を中心に栽培されてきた伝統的な野菜であることにちなんでいます。

ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾ・タルディーボ/Radicchio Rosso di Treviso Tardivo

◆特殊な軟白栽培

 本場イタリアの産地では晩秋に大きく生育した株を一旦土から根ごと引き抜き、それをコンテナにびっしりと根を下にして立てた状態で詰め、年間通じて一定の温度の湧き水に浸した状態で数週間更に水耕栽培されます。それを余分な外葉を取り除いて、新たに伸びてきた芯の部分だけを食用として出荷されます。イタリアではI.G.P.(Indicazione Geografica Protetta)と呼ばれる保護指定地域表示として扱われ、産地や生産方法などの基準を満たしたもののみ「ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾ・タルディーボ」として出荷でき、認定されていない物はこの名称では販売できない事になっています。

 当然、日本で作られたものは欧州の基準を満たすわけもありませんね。また、環境も違うので、国内では少し違った栽培方法がとられているようです。主な方法は大きく生育したトレビーゾを根とともに引き抜き、そのまま詰めるのではなく、葉を根元から数センチ残して刈り取り、その根元を並べて遮光した中で軟白栽培されます。

奥村農場産の大きなタルディーボ

 また、ある生産者さんはある程度育ったものを掘り起こし、葉を束ねて暗室に並べて内側を軟白栽培し、芯が伸び始めてから包んでいる外葉を取り除いて綺麗な芯の部分を出荷されていました。

◆タルディーボの特徴

ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレビーゾ・タルディーボ/Radicchio Rosso di Treviso Tardivo

 葉の形は一般的なチコリ(アンディ―ブ)よりも細長く、結球はせず、先が内側に巻き込むような感じになっています。菊の花びらにも似た感じです。

 味は、優しい苦みと甘味がバランスよく広がり旨みとして感じられます。

●タルディーボ主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 タルディーボは古くからイタリアのヴェネト州トレビーゾというところで作られ、現在でも特産品となっています。日本にもここから輸入もされています。

 国内では山形県や青森県などで僅かに生産出荷されている他、各地のこだわり農園などで栽培に取り組まれているようですが、タルディーボは栽培が難しく手間がかかるため、成功されている所はごく僅かです。

 2015年に撮影したものは青森県のふじもり農園さんが作られたものを取り寄せたものです。2022年に撮影したものは滋賀県東近江市の奥村農場(奥村 繁樹)さんからご提供いただいたものです。

◆タルディーボの収穫時期と旬

 タルディーボの収穫は大きく育てた株を晩秋に掘り起し、それから20日間ほど遮光した状態で水耕栽培され、年明け1月中旬頃から3月の中旬頃まで行われます。輸入物もほぼ同じ時期に入ってきます。

 生産量も限られ、出回る時期も短いので非常に希少価値が高く季節感の強い食材です。

品種 1月 2月 3月 4月
タルディーボ                        

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