ひめあやか/姫あやか:来歴や特徴
●ひめあやかとは
◆ひめあやかの来歴
ひめあやかは国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が育成したサツマイモ品種です。1998(平成10)年に九州農業試験場(現九州沖縄農業研究センター)において、いもがやや小さく食味が優れる「九州127号」につる割病と立枯病に強く食味が優れる「関系91」の花粉を交配し採種、その翌年1999(平成11)年から茨城県にある作物研究所(現次世代作物開発研究センター)にて10年にもわたり選抜・育成され2009(平成21)年に登録出願公表、2011(平成23)年に品種登録されています。
名前は『いもが小さく、加熱したときの肉色の彩りが鮮やかであることから』とされています。
◆ひめあやかの特徴
ひめあやかは平均イモ1個重が「ベニアズマ」や「高系14号」の6割ほどと小さめで200g以下の物が多く、その分全イモ収量は少ない。イモが小ぶりで食べきりサイズというのがウリ。一般的に小さなイモは筋が多く美味しくないことが多く規格外扱いとなるが、このひめあやかは小さなイモも美味しいのが特徴。
肉質はやや粘質で加熱調理すると黄色くなる。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----いもの形状は短紡錘形、いもの皮色(基本色)は赤、いもの皮色(補助色)は紫、いもの皮色(濃淡)は中、いもの皮色(分布)は均一、いもの肉色は黄、いもの暈の多少は無、不和合群はB群、1株当たり上いも個数はやや多、a当たり上いも重はやや少、ネコブセンチュウ抵抗性はやや弱である。------』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたひめあやかの食味
今回入手したものは茨城県産のもので、イモの大きさは中くらいのものでした。
1時間ほどじっくりと焼き上げて食べてみると、中は確かに黄色く見た目も美味しそうです。口に入れると、ホクホク系ではなく、かといって紅はるか程は蜜っぽくなく中間くらいの食感で、甘みも甘すぎず丁度いい感じで美味しい焼き芋に仕上がりました。
ちょっとしたおやつとして食べる時には小ぶりのイモが食べやすく、小さくても食味が良いというのはありがたいですね。
●ひめあやかの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ひめあやかは地域のオリジナル品種ではないので、サツマイモの栽培に適したところであれば全国どこでも栽培は可能となっています。現在のところはまだ知名度も高くなく、栽培地は少ないようですが、今後茨城県や埼玉県など関東を中心に増えてくると思われます。