アイスプラント(ツブリナ/プッチーナ/潮菜/バラフ/ソルトリーフ)
特徴や旬の時期と産地ブランド
■アイスプラントとは
●ハマミズナ科メセンブリアンテマ属クリスタリナム
(英)Crystalline Iceplant (仏)ficoide glaciale
アイスプラントはハマミズナ科メセンブリアンテマ属の植物で、葉や茎の表面に透明な水滴状の細胞があることから学術名はクリスタリナムと名づけられている植物です。また、そのために見た目が凍っているように見えることから「アイスプラント」と呼ばれるようになったようです。
日本へは佐賀大学農学部が塩類土壌の修復技術への利用を目的として研究し始めたのがきっかけで、その後野菜としての価値も見いだされ、2006年に「バラフ」という名称で試験的に生産が始められ、その後各地でも栽培が広まり現在に至っています。
●表面の透明な粒粒の正体
アイスプラントは、一般的な植物がおこなう「C3光合成」と砂漠などの乾燥地帯の植物がおこなう「CAM型光合成」を切り替えることのできる「C3/CAM 変換ストレス誘導制御型植物」というなんやらややこしい植物で、普通に水分があるような条件だと普通の植物と変わらないのですが、乾燥したり、塩分が強くなると、葉や茎の表面に「ブラッダー細胞」と呼ばれ、名前の由来にもなっている透明な水泡状の細胞が発達し、そこに余分なミネラルや塩分などを保存することができるそうです。そのおかげで、乾燥や塩分に強く、海水ほどの濃い塩分濃度の中でも育つことができるそうです。
●安心安全の上、ヘルシーな野菜
アイスプラントは水耕栽培で、農薬を使わずに済みます。そう言う事もあって、近年各地で品種改良や栽培が盛んに行われ始めています。それぞれの栽培地では「ツブリナ」や「潮菜(シオナ)」、「プッチーナ」など独自のブランド名を付けているので、ある意味紛らわしいのですが、どれもこのアイスプラントを栽培した物です。
■アイスプラントの旬の時期
●アイスプラントの旬は通年
このアイスプラントは、土に植えて栽培すると、有害な重金属が含まれていた場合に、一般的な植物以上にそれらの成分を吸い上げてしまうこともあり、また、あえて塩分などのストレスを与える必要がある為、通常は室内で水耕栽培されています。そう言った事から、この野菜に関しては旬は特に無く、通年美味しく食べられます。
●アイスプラントの家庭菜園
アイスプラントの種や苗も販売されており、家庭での栽培も出来ます。種の場合は2月から3月頃に種をまき、6月から7月頃に収穫出来きます。また、秋8月から9月頃撒けば冬に収穫できます、生育温度は幅が広く5℃~25℃で、暑さと過湿に弱く、30℃を過ぎると枯れ始めるようです。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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アイスプラント | ||||||||||||
家庭菜園 | 種 | 撒 | → | 収 | 穫 | 種 | 撒 | → | 収 | 穫 |
アイスプラントの各地のブランド
佐賀県「puttina /プッチーナ」・・・・株式会社アグリ
静岡「潮菜/シオーナ」・・・JA遠州中央