菱(ヒシ/ひし)の実:特徴や主な産地と旬の時期
●菱(ヒシ/ひし)の実とは
◆ヒシ科ヒシ属
ヒシは池や沼に自生する一年生の水草で、秋に熟したとげのある実が水底に固着して越冬し、春になると発芽して根をおろし、水面に向かって芽を伸ばします。食用とするのはこの果実の部分です。
福岡県や佐賀県などで栽培出荷されている大きなトウビシの他、もともと日本の在来種として自生している「オニビシ」や「ヒメビシ」などいくつかの品種があり、どれも同じように食用になります。「トウビシ」は角が二箇所ですが、「オニビシ」や「ヒメビシ」には鋭い角が4本あり、かつて忍者が使ったと言われている「撒きビシ」は、この「オニビシ」を乾燥させたものと言われています。
◆菱(ヒシ/ひし)の実の特徴
ヒシの実は固い殻に包まれた中に、白い果肉があり、その部分を食用とします。自生している「オニビシ」や「ヒメビシ」は小さく、この食べられる部分もとても小さいものとなりますが、トウビシなど栽培されているものは実が大きく、食べられる果肉も大粒の栗ほどあります。
茹でた果肉は、茹で具合によって食感が変わり、浅いとシャキシャキとした食感で中国料理のクワイと同じ感じになります。しっかり茹でた物は栗とレンコンを足して割ったようなポックリとした食感になります。
味はクセがほぼ無く、香りもほとんど感じられません。食感以外強く主張する風味は無いので色々な料理に使うことができます。
●菱(ヒシ/ひし)の実の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
古くは全国各地の湖沼で見られ、そういった地域では茹でておやつとして食べられてきたたようですが、今では随分減ったと言われています。
現在出荷ベースで栽培されているところは九州の福岡県や佐賀県が有名で、これらの地方では減反政策で転作する田んぼでの栽培にも取り組まれているようです。
◆菱(ヒシ/ひし)の実の収穫時期と旬
ヒシは夏に花を咲かせ、その後秋から晩秋にかけて実を膨らませます。収穫できるのは実が膨らんでから落ちるまでの間で、9月中旬から11月中旬頃までとなります。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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菱(ヒシ/ひし)の実 |