こいくれない/京くれない/リコピン人参<ニンジンの種類

こいくれない/リコピン人参/京くれない

●こいくれない/リコピン人参とは

◆機能性成分リコピンを特徴とするニンジン

 リコピン人参「こいくれない」はノーリツ鋼機グループのNKアグリ株式会社が生産しているリコピンを含む機能性を前面に打ち出した人参の商標です。2014年に6県で生産され試験的に流通販売が行われたばかりで、今後全国的に本格的な生産出荷が進められていくと思われます。品種はタキイ種苗が2013年に発売した「京くれない」というトマトの約2倍のリコピンを含むとされる人参が使用されています。

こいくれない/リコピン人参/京くれない

 「リコピン人参」という機能性を打ち出すために、日射量や気温、栽培日数などを計測・分析し、成分の含有量が最も高くなるタイミングに収穫する仕組みが構築されています。なお、この機能性成分リコピンを特徴とするニンジン「こいくれない」の研究にはNKアグリ株式会社の他、筑波大学、東京農業大学、日本製粉株式会社中央研究所との共同研究コンソーシアムが設立され、濃rん水産省より平成26年度「農林水産業の革新的技術緊急展開事業」に採択されています。

こいくれない/リコピン人参/京くれない

◆「京くれない」

 タキイ種苗が販売している機能性成分を豊富に含む野菜「ファイトリッチ」シリ-ズの一つで、夏まき専用品種となっています。この種苗は一般にも販売されているので、家庭菜園でも作ることができます。

◆こいくれない/リコピン人参の特徴

こいくれない/リコピン人参

 大きさは一般的な人参と同じくらいで、形はややスリムな円錐です。色は一般的な人参より赤みが強く、京人参程は赤くないです。外見的には一般的な人参と京人参の中間的な感じです。右の写真は、一般的な人参の断面(左)とこいくれない(右)を並べてみたものです。

 味は京人参程クセは無く、普通のニンジンよりも甘味が強く感じられます。

◆リコピンの機能

 リコピンと言えばトマトのイメージが強いですが、赤い色素成分でカロテノイドの一種です。βカロテンも同じくカロテノイドの一種ですが、βカロテンが体内でビタミンAになるのに対し、リコピンはそうならず、そのままで強い抗酸化力を発揮するとされています。その作用はビタミンEの100倍以上とも言われています。

 ちなみに、リコピン人参と呼ばれているこいくれないはもちろんですが、古くからあり、より赤みが強い京人参にもリコピンが多く含まれています。

●こいくれない/リコピン人参の主な産地

◆主な産地と生産量

こいくれない/リコピン人参/京くれない

 平成27年現在、青森県、新潟県、茨城県、千葉県、静岡県、熊本県、宮崎県、鹿児島県の8つの地域で生産されているようです。2015(平成27)には500tの生産を見込んで知るとされており、今後拡大を目指しているとの事です。

◆こいくれない/リコピン人参の収穫時期と旬

 収穫は産地によって成分が最も多く含まれる最適な時期に行われ、産地をリレーしながら青森県で10月中旬頃から始まり、九州の産地で翌春2月いっぱい頃までとなっています。

旬カレンダー

品種 10月 11月 12月 1月 2月
こいくれない                              

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