シロユタカ<さつまいもの品種
●シロユタカとは
◆かんしょ農林38号 主にでんぷんの原料用
シロユタカは九州農業試験場において1975(昭和50)年に高でんぷんでネコブセンチュウに強い「九系708-13」に国内品種の優良遺伝子を集積したとされる「S684-6」を交配し、生まれた実生から選抜育成された固定品種とされています。1985(昭和60)年に命名登録され、品種登録出願、翌年1986(昭和61)年に品種登録されています。
名称は「豊かな収穫を呼ぶ白いいも」という意味が込められているそうです。
このシロユタカは青果向けではなく、主にでんぷんの原料用品種として開発され、現在南九州を中心に生産されています
◆シロユタカの特徴
品種登録データベースには下記のように記載されています。
『いもの形状は紡錘形、いもの形状整否は整、いもの大小は中、いもの皮色の基本色は白、いもの皮色の分布は両端帯紅、いもの肉色は淡黄白、いもの条溝は微、いもの外観はやや上、いもの圃場萌芽は微である。』
表皮の色は白系ですが、両端や窪みなど部分部分に薄い紅色が出ています。肉食は白く、粉質ででんぷん質の含有量が多い品種です。
鹿児島県ではコガネセンガンに比較して標準栽培で20%、早堀栽培で10%収量が多いとされています。
◆シロユタカを焼いてみた
今回入手した熊本県産の物を、実際に180度のオーブンで90分程焼いてみました。
焼き上がりの肉色はわずかにクリーム色に近い白で、ホクホク系の食感と、ほんのり甘味が感じられました。水分があまり感じられず、食べているうちにのどに詰まる感じがします。黄金千貫に比べ、皮はやや薄く、ホクホク感はこちらの方が強かったです。
ただ、甘味が少なく、焼き芋としてはあまり美味しいとは言えません。
●シロユタカの主な産地と旬
◆主な産地
シロユタカは主に鹿児島県で生産されています。少し古いデータですが、政府がまとめた平成19年産の栽培面積を見ると、全国で4442haで栽培されており、そのうち99.5%の4424haが鹿児島県となっています。その他では宮崎県16ha、福岡県2haとなっています。
◆シロユタカの収穫時期と旬
収穫は主に10月上旬頃から11月にかけて行われます。出回るのも10月中旬頃から12月頃になります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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シロユタカ |