隼人芋/人参芋/にんじんいも/ニンジンイモ<サツマイモの品種
●隼人芋とは
◆鹿児島県で作られてきた在来種
隼人芋は鹿児島県で作られてきた在来種で、「日本いも類研究会」のホームページによると、『大正時代から鹿児島県で栽培されている。アメリカ品種ポートリコに類似し、同一品種とみられる。』とされています。「紅隼人」という品種もありますが、この隼人芋とは全く別種です。
かつては鹿児島で広く栽培され、比較的よく見かけられたそうですが、現在では他の品種に転換されるなど生産者が減り、希少性が高くなっています。
隼人芋はカロテンを豊富に含んでいて肉色がオレンジからサーモンピンクなので、「にんじん芋」ともよばれています。ただ、この「にんじん芋」という名称は他の品種でも使われており、カロテンを多く含み肉色がこうした人参のような色をしているサツマイモの総称と言えそうです。
◆主な産地
隼人芋は鹿児島県で古くから作られてきた品種ですが、三重県では「きんこいも」と呼ばれる干し芋の原料として知られ、当地で栽培されています。
●隼人芋/にんじん芋の特徴や味
◆隼人芋の特徴
「日本いも類研究会」のホームページには、『イモは長紡錘形で、外皮は黄褐色、肉色はあざやかな鮭肉色で、カロテン含量が多く、甘味が強い。蒸かして食べると独特のカロテン臭がある。』とされています。
今回入手したものは細長いものとややずんぐりしたもので、いずれも表皮は肌色に近いベージュで、すべすべした感じです。切ると肉色は写真の通り薄い橙色でした。
◆隼人芋/にんじん芋の焼き芋
アルミホイルで包んで、200度のオーブンで1時間20分程焼き上げてみました。焼き上がりを持った感じはかなり柔らかく、水分が多いのが感じられます。
割ると中は濃いオレンジ色で、汁が滴り落ち、ほんのり人参のようなカロテン臭があります。肉質は水分が多く、しっとり系で、ホクホク感はありません。かといってネットリと言うほどでもないのですが、食べてみるととても甘く、安納芋と同じくらいに感じました。
ホイルに包んで焼いたせいか、皮が綺麗にむけるので、果肉だけをスプーンなどですくいとって裏ごしすれば甘く美味しい上に、色も綺麗なペーストができそうです。