菊芋(キクイモ・きくいも)の旬の時期と特徴
●キクイモ(菊芋・きくいも)とは
◆キク科ヒマワリ属 (英)Jerusalem artichoke(仏)Topinambour
菊芋(きくいも)はキク科ヒマワリ属の多年草で、食用とされるのはその肥大した根の部分です。北アメリカが原産とされ、日本には江戸時代末期に家畜の飼料用として導入され、「豚いも」とも呼ばれていたようです。
アメリカではエルサレムアーティチョク(Jerusalem artichoke)、フランスではトピナンブール(topinambur)と呼ばれています。
◆菊芋は要注意外来生物
菊芋は非常に繁殖力が強く、在来種に対し競合・駆逐のおそれがあるとされ環境省から要注意外来生物に指定されています。
◆菊芋に含まれるイヌリンで注目
菊芋には「天然のインシュリン」といわれる「イヌリン」という成分を豊富に含んでいることから、最近では美容や健康面から注目を集めつつある野菜の1つです。
◆白色種と紫色種
菊芋には全体に薄い黄褐色で芽の部分だけほんのり紫色になっている白色種と呼ばれるタイプと、全体に紫色が強い紫色種あるいはフランス菊芋と呼ばれるタイプの品種があります。
白色種と紫色種では外皮の色の違いだけでなく、大きさも紫色種の方がやや大きい傾向にあり、含まれている「イヌリン」や「ポリフェノール」の割合も明らかに高いことが分かっています。(※出典 西九州大学 品種、収穫時期の違いがキクイモの成分 および抗酸化活性に及ぼす影響)。
中の肉色は白色種も紫色種もほぼ同じ乳白色ですが、実際に食べた時の食味も微妙に違います。
●キクイモ(菊芋・きくいも)の主な産地と旬
◆全国各地で小規模に生産
菊芋は野生化したものが全国で見られる他、各地で個々の農家が栽培しています。ただ、生鮮食材としてはメジャーではなく、生鮮品としてスーパーなどに並ぶことはまれで、そのほとんどが健康食品や健康飲料向けに乾燥や粉末に加工されています。
生鮮物としては各地の農産物直売所などでよく見かけます。
◆特産化が進む長野県
長野県内ではいくつかの土地でキクイモの特産化が進められているようです。
◆菊芋の収穫時期
菊芋は9月から10月にかけて黄色い菊に似た花を咲かせ、その後秋には地上部が枯れ、地中に塊茎を作ります。収穫されるのはそれからとなり、11月以降に掘り出されます。
◆出回り時期と食べ頃の旬
菊芋は秋に根が大きなり、翌春にはそこから新たに芽が出てきます。収穫はその間いつでも出来るということになります。とは言っても、雪が多い地方では雪が積もっている間収穫できず、11月頃と翌春3月から4月頃に掘り出されます。
また、イヌリンは10月に最も多くなり、ポリフェノールは貯蔵された12月以降に多くなるという研究結果もあります。(※出典 西九州大学 品種、収穫時期の違いがキクイモの成分 および抗酸化活性に及ぼす影響)
直材所などに最も多く出回るのは11月から12月にかけてとなります。
品種 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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菊芋(キクイモ) |