太天柿 たいてん<渋柿の品種:来歴と特徴や産地、旬

太天柿 たいてん<渋柿

●太天柿とは

◆「黒熊」×「太秋」で生まれた大果になる渋柿

太天柿 たいてん<渋柿

 「太天」は農林水産省果樹試験場安芸津支場において、1993(平成5)年に「不完全甘柿」の「黒熊」に、「完全甘柿」の「太秋」を交配して得られた実生から選抜育成された大果で食味がいい、晩生種の渋柿です。2007(平成19)年に命名発表され、登録出願、2008(平成20)年に「かき農林13号」として農林認定品種に登録、2009(平成21)年に種苗法に基づく品種登録がされています。

 名前は、『天から授かった、素晴らしい、大きな果実のカキ』という意味で付けられたそうです。

◆太天柿の特徴

太天柿 たいてん<渋柿

 最も大きな特徴は「渋柿」であることと、非常に大きな果実になるということです。

 果形は「平核無」のような扁平ですが「平核無」に比べ角は丸みを帯び、肩の部分にもふくらみがあります。大きさはとても大きく、「富有」の約1.5倍で、平均でも500g程になります。

 食べ頃に熟した状態ではジューシーでサクサクとしたやや粗い食感ですが、熟すにつれ柔らかくなり、糖度は「富有」と同じくらいとされています。

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

太天柿 たいてん<渋柿

『- - - - - -

 果実の大きさは極大、果実の縦断面の形は扁円形、果実の横断面の形は円形、

 果頂部の形は凹形、果頂の溝の明瞭度は強、果頂の条紋の明瞭度は無又は弱、果頂の裂果性は無又は弱、

 ていあ側面の形は強く下る、へたすき性は無又は弱、へたの果実に対する大きさは中、へた片の幅は広、果柄の長さは中、

 果皮の色2は橙(不完全渋)、果肉の色2は橙(不完全渋)、果肉の褐斑の有無は時々有、

 種子の大きさはやや小、種子の形は短楕円形、

 雌花の開花期は中生、成熟期2はやや晩生(不完全渋)、果実の渋味は常に有である。

 - - - - - -』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた食味

 今回入手した「太天」は2個で、大きさは585gと625gもありました。いずれも種はなく、果肉は写真の通り綺麗なオレンジ色をしています。

 食べてみると、歯触りは柔らかく、果汁の多さが印象的で、かなり強い甘みが口に広がりました。甘さのわりに後口はさっぱりした感じでとても美味しい柿でした。

●太天柿の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

太天柿 たいてん<渋柿

 「太天」柿は現在のところ愛媛県でしか商業生産はされていないようで、政府がまとめた全国の栽培面積でも愛媛県の2.9haのみとなっています。

 愛媛県では古くから作られてきた「愛宕柿」や、大玉品種の「富士柿」で知られていますが、「太天」にも注目し、2012年に初出荷されています。

◆太天柿の収穫時期と旬

 「太天」は晩生の品種で、収穫は11月上旬辺りから始まりますが、脱渋ご出荷されるので、出回るのは11月中旬ごろからになります。最盛期の旬は11月中旬から12月上旬にかけてとなります。

旬のカレンダー

旬のカレンダー 10月 11月 12月 1月
太天柿                        

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