富有柿(ふゆうがき):特徴や旬の時期と主な産地

富有柿(ふゆうがき)

■富有柿(ふゆうがき)とは

 「富有柿」は江戸時代末期に岐阜県で生まれた完全甘柿で、現在も最も多く栽培されている品種で、この品種から「松本早生」「すなみ」が枝変わりとして生まれたほか、本種を交配親として「太秋」が生まれています。

●富有柿は甘柿の一種

 富有柿は岐阜県瑞穂市居倉が発祥とされている完全甘柿の一種で、1857(安政3)年に小倉初衛が栽培を始めた御所系統の柿の木がその起源とされ、その木を福島才治が別の木に接木して育成したものが1898(明治31)年の柿品評会で一等賞となり広く世に知られるようになったそうです。

 現在、富有柿は柿の中では最も多く生産されている品種となっています。

富有柿(ふゆうがき)

●富有柿の特徴

 富有柿は御所系の完全甘柿で、果実は丸に近い四角で、果皮はすべすべしていて光沢があります。産地により微妙に色や形が違に違いがあり、福岡県産は赤が濃く腰高の傾向があり、岐阜県産などはややオレンジが強くて比較的平たいようです。

富有柿(ふゆうがき)の断面

 いずれにしても果肉は繊密でとろけるような柔らかさが有り、甘みがあり果汁が覆いのが特徴です。

●富有柿と次郎柿

 富有柿と次郎柿は柿の代表格でよく比較されたりします。「富有はあごで食べ、次郎は歯で食べる」と言われていて、富有柿は果肉がやわらかく、次郎は硬めで歯ごたえがある柿ということを表しています。外見ではふっくらと丸くつるっとした富有柿の方に軍配が上がます。写真は左が次郎で右が富有です。

次郎柿(左)と富有柿(右)

■富有柿(ふゆうがき)の出回る旬の時期と主な産地

●主な産地と全国の栽培面積

富有柿(ふゆうがき)の主な産地と栽培面積

 富有柿は主に西日本で多く作られている柿で、最も多く作っているのは奈良県です。次いで福岡県で、発祥の地、岐阜県が3番目となっており、この3県で全国の半分以上を占めています。

●富有柿の収穫時期

 富有柿の収穫期は10月下旬から12月中旬頃までで、収穫後そのまま出荷されるものと、冷蔵で貯蔵され、12月から2月に出荷されるものがあります。食べ頃の旬はもちろん収穫後貯蔵されたものではなく、そのまま出荷されたものなので、10月下旬から12月いっぱいと言えます。

旬のカレンダー 10月 11月 12月 1月 2月 3月
富有柿(ふゆうがき)                                    

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