カッタクルガン:来歴や特徴と産地や旬
●カッタクルガンとは
◆カッタクルガンの来歴
中央アジアにある旧ソ連のウズベク・ソビエト社会主義共和国(現在のウズベキスタン)が原産とされる欧州種のぶどうで、欧州種の中でも最高品種とも言われています。
もともと乾燥した土地が原産の品種でもあり、国内の環境では雨などにより裂果しやすいなど栽培が難しく、国内の一般市場にはほとんど流通していませんが、様々なぶどうの育種においては非常に重要な品種となってきました。
◆メジャーな品種の祖先
「カッタクルガン」はその品質の良さから様々な新たなぶどうの交配に用いられてきました。よく知られた品種では、現在とても人気が高い「シャインマスカット」は「カッタクルガン」と「甲斐路」から生まれた「白南」が交配親に用いられています。また、「瀬戸ジャイアンツ」には「グローコールマン」と「カッタクルガン」の交配で出来た「グザルカラー」が交配親となっています。
その他にも「リザマート」も「カッタクルガン」と「パルケント」の交配で生まれた品種であり、その「リザマート」から「ナガノバープル」が生まれています。
◆カッタクルガンの特徴
「カッタクルガン」は皮ごと食べられる種なしの欧州種ぶどうです。特に国内ではジベレリンやフルメットといったホルモン処理が行われ、皮が一層薄くなるとともに果粒も肥大化しています。
房は円錐形で、果皮色は黄緑色、果粒の大きさは断面が500園玉よりも大きくなります。
植原葡萄研究所のホームページには以下の通り記載されています。
『-----
果粒は平均14.6gで大きい物では20gに達する。房は大きく幅広い円錐形。
果肉は多汁で、糖度は高く食味は数ある欧州種中随一の味。香りは少ない。果皮がうすく皮ごと食べられる。過熱すると裂果しやすい。
ジベ処理で種なしになる。第1回は満開直後12.5ppm、2週間後に第2回をジベ25ppm、フルメット3ppmにて、果粒は肥大し受粉は必要ありません。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたカッタクルガンの食味
撮影試食したものは8月20日に購入した山梨県産で、480gほどの房でした。果粒は17~18gで断面が500円玉よりも大きく、房全体に粒の大きさが揃っていました。
皮はとても薄く、果肉は崩壊性で種がなく皮ごとかじるように食べられます。香りはあまり強くありませんが、かじると甘みの強い果汁が口の中に広がり、酸味は少なく渋みもありませんでした。
●カッタクルガンの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「カッタクルガン」は栽培が難しい事や、一般にはあまり知られていない品種でもあり、この品種を大規模に栽培するところはありません。
各地のブドウ産地で個々の農園で少量栽培されている程度で、市場にもほとんど流通していません。
ブドウの育種に取り組んでいる農園や、珍しい品種をウリにする観光農園などで栽培されています。
◆カッタクルガンの収穫時期と旬
「カッタクルガン」の収穫時期は産地やハウスか雨よけ露地など栽培方法などによって少し開きはありますが、収穫の盛期は8月下旬から9月上旬となっています。
品種 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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カッタクルガン |
< 出 典 >
※ 「カッタクルガン」植原葡萄研究所のホームページ
※ 「植物新品種の保護をめぐる状況」農林水産省 第1回 優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会資料