ブドウの品種:甲斐路(かいじ)
■甲斐路(かいじ)とは?
●「甲斐路」の来歴
「甲斐路」は山梨県の植原葡萄研究所において「フレーム・トーケー」と「ネオ・マスカット」の交配により生まれた欧州種の赤ブドウです。1977年9月に品種登録されています。
植原葡萄研究のホームページには以下の通り紹介されています。
『本種は日本の気候下で栽培できる「赤いマスカット」と呼べる純粋欧州種であり、その最大の理由は、降雨による裂果 がないことである。
円錐形甚大房400~600g。先尖卵形甚大粒8~16g(29×25mm)。粒着適度で花流れは少なく、摘粒はネオマスカットよりはるかに容易。
明るい鮮紅色、外観優美で花のように美しい。 果粉は多く、果皮は強靭で裂果しない。
果芯が太く種子に届くまで深く、脱粒しない。貯蔵性、輸送性もブドウ中で最も強いものの一つ。
果肉は崩解性で緊まっているが欧州種としてはやや軟らかく多汁である。果皮と果肉は分離しないので、一部、皮を剥いて食べるといい。糖度は極めて高く18~23度で上品なマスカット香がある。(中略)渋味なく、酸は適度かやや少ない。
熟期は晩生で9月中旬~10月上旬。』 ----植原葡萄研究所----
●甲斐路の特徴
「甲斐路」の果房は果粒が粗くついているが大きく、果粒がしっかりと軸に付いていて脱粒しにくく、輸送性が高いのが特徴です。
果粒は長楕円形で、果皮色は黄緑色の地に明るい赤紫で、よく見ると少し縞模様が入っているようなまだらに色付いています。
果皮は薄いですが硬く、果肉と一緒に食べることはできません。果肉は果汁が多く欧州系としては柔らかいです。
「赤いマスカット」という別名があるように、華やかなマスカットの香りをもつブドウで、糖度も非常に高くなります。皮はむき難く、また、皮のところに旨みがあるので、一度口の中でかみ締めてから皮を出すようにするといいです。ただ、種があるので、噛むときは注意してください。
■甲斐路(かいじ)の主な産地と旬
●全国の甲斐路(かいじ)栽培面積
農林水産省がまとめた特産果樹生産動向調査によると平成28年の「甲斐路」の栽培面積は全国で30.4haとなっており、主な産地は名前にもなっている甲斐の国、山梨県で、全体の8割以上を占め、次いで新潟県、群馬県、山形県となっています。
また、この統計には出ていませんが、その他のブドウ産地でも個々の農園で少量栽培されています。
●9月中旬から10月中旬
甲斐路が出回る旬の時期は9月中旬ごろからで、一月間ほど続きます。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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甲斐路 |