貴秋柿/きしゅう<完全甘柿の種類

貴秋柿/きしゅう<完全甘柿

■貴秋とは?

●10月中旬に成熟する完全甘柿

貴秋柿/きしゅう<完全甘柿

 「貴秋」は1984(昭和59)年に広島県にある農林水産省果樹試験場安芸津支場(現独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構)において、「伊豆」に「安芸津5号」の花粉を交配し、その実生の中から選抜育成された完全甘柿です。交配親となった「安芸津5号」とは、「富有」に「晩御所」と「花御所」の交配で生まれた「興津16号」を交配させてできた品種です。

 2003(平成15)年8月に品種登録出願されると共に同9月には「かき農林11号」として農林認定品種に登録され、2005(平成17)年に品種登録されています。

 

 1996年から始められたカキ第5回系統適応性検定試験では本種以外にも「カキ安芸津13号」として「早秋」、「カキ安芸津14号」として「甘秋」も供試され、農林水産省果樹試験場としては2000年(平成12) 年に発表された極早生の「早秋」、2002(平成14)年の「甘秋」に続く完全甘柿の新品種となっています。

●貴秋の特徴

貴秋柿/きしゅう<完全甘柿

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『--------

 果実の形はやや扁円、縦断面の形は扁円、果頂部の形は浅凹、微尖は全果、果実横断面の形は方形、斜線溝は不明瞭で短、側溝は無、蒂部の皺は中、

 果皮の亀甲紋は不明瞭、果粉の多少は中、蒂窪平面の形は正方形、側面の形は凹U、

 果梗の長さはかなり短、太さはかなり太、果心の形は短三角、太さはやや太、

 果実の大きさはかなり大、果皮の色は橙紅、光沢は良、果実の座の有無及び条紋の発生程度は無である。

 蒂の全形は基太肩平幅広、長短はやや細長、大きさは大、先端の形は中尖、果実に対する姿勢は平行である。

 果肉の色は紅、褐斑の大きさは小、密度はやや粗、分布は果肉全体、果肉の粗密はやや密、甘味は中、

 子室数は8、種子数は4~5、種子の形は短三角、長短は中、厚さはやや厚、種子の色は褐、大きさはやや小である。

 発芽期及び雌花の開花期は晩、成熟期は早で育成地においては10月中旬、花性は雌花と雄花、甘渋性は完全甘、果頂裂果性及び蒂隙性はかなり少である。

 --------』以上抜粋。

 また、品種開発を行った農研機構のホームページには以下の通り紹介されています。

貴秋柿/きしゅう<完全甘柿

 『果形は扁平で、果実重は「松本早生富有」より大きく、育成地では平均350g程度となる。果皮色は橙色で、育成地ではカラーチャート6.5程度となる。糖度は育成地では16%程度である。適熟果の肉質は緻密と粗の中間である。果肉がやや硬いので、収穫後、数日おいてから食べると軟らかくなり食味が向上する。日持ち性は育成地では常温で15日程度と優れている。』

●実際に食べてみた食味

 今回入手した物は岐阜県産で、大きさは370g前後と大きく、表皮の色は赤みが濃く感じられるオレンジでした。

 食感はゴリゴリ感やサクサクとした歯触りではなく、滑らかで果汁が染みだす感じです。味は結構甘いのですがくどさが無く後味が良いです。

■貴秋の主な産地と旬

●主な産地と生産量

 主な産地は岐阜県で、政府がまとめた平成24年産の全国の栽培面積をみると岐阜県の1.5haのみとなっています。

 ただ苗木は一般にも販売されているので、全国各地の各農園などでも少量ずつの栽培は行われているものと思われます。

●貴秋の収穫時期と旬

 成熟期は育成地の広島において10月中旬となっています。収穫時期は11月初旬頃までとなります。

旬のカレンダー

旬のカレンダー 9月 10月 12月 12月
貴秋                        

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