グランドチャンピオン:来歴や特徴と産地や旬
●グランドチャンピオンとは
◆グランドチャンピオンの来歴
「グランドチャンピオン」はアメリカ・オレゴン州で1936年に発見された「ゴーラム」の突然変異とされる西洋梨の品種で、1943年にアメリカで品種登録され、日本には1953年に「バートレット」の後継として導入されたようです。
由来に関しては、その後の遺伝子解析によると「ウイリアムズ(バートレット)」と「ジョセフィン・ド・マリネス(Josephine de Malines)」の交雑が推察されていたりもします。
いずれにしても、「グランドチャンピオン」は現在もアメリカやヨーロッパなどで根強い人気があり、日本においても「ラ・フランス」ほど広くは知られていませんが、知る人ぞ知る美味しい洋梨として定評があります。
◆グランドチャンピオンの特徴
「グランドチャンピオン」の果実は果重250~350gほどと小ぶりの西洋梨で、果形は円錐に近い形で首の部分が細くはなっていません。
果皮表面は黄緑色の地に全体に茶色のサビが覆い、黄褐色に見えます。追熟が進むにつれて金色を帯びた茶褐色へと変わっていきます。
果肉は緻密で追熟すると滑らかで果汁が多く、甘味と共に主にりんご酸による明瞭な酸味があるのが特徴です。
◆実際に食べてみたグランドチャンピオンの食味
撮影試食した「グランドチャンピオン」は10月1日に届いた長野県のライラック農園産です。
果実は260g前後で、コロンとした可愛らしい姿をしています。食べてみると、食感は滑らかで甘く、そしてしっかりとした酸味があり、全体として味が濃く感じました。この品種が好きという人の気持ちが分かる気がします。私も好きな味わいでした。
食べ頃の判断はどれくらいの熟度がこのみかでも違ってきますが、十分に追熟すると果梗付け根が少し柔らかくなってくるので、そうなったら早めに食べることをお勧めします。
●グランドチャンピオンの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「グランドチャンピオン」の主な産地は北海道です。農林水産省がまとめた平成30年産特産果樹生産動態等調査によると全国のこの洋梨の栽培面積は北海道の3.3haだけしか記録されていません。
長野県などその他の西洋梨の産地でも個々の農園で少量栽培はされているようですが、西洋梨全体から見ると0.5%未満しかなく、とても希少な品種の一つです。
◆グランドチャンピオンの収穫時期と旬
「グランドチャンピオン」の収穫時期は主産地の北海道で10月中旬から10月下旬にかけてとなっています。また、長野県では9月中旬ごろからとなっています。
この品種も収穫後約2週間程追熟期間が必要とされているので、美味しく食べられる旬の時期は10月上旬から11月初旬頃までとなります。
グランドチャンピオン | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
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収穫時期 | ||||||||||||
食べ頃の時期 |
< 出 典 >
※ 「北海道でできる「なし」の品種紹介」 北海道果樹協会
※ 「Grand Champion (poire)」Wikipédia
※ 「Combined Analysis of S-Alleles in European Pear by Pollinations and PCR-based S-Genotyping; Correlation between S-Phenotypes and S-RNase Genotypes」J. AMER. SOC. HORT. SCI. 133(2):213–224. 2008
※ 「Poirier Grand champion」Pierre Gaujard