ゴールド二十世紀 梨:来歴や特徴と産地や旬
●ゴールド二十世紀とは
◆ゴールド二十世紀の来歴
ゴールド二十世紀は「二十世紀」に放射線を照射することにより突然変異を誘発させ、「二十世紀」と同じ果実特性をしていながら黒斑病に抵抗性をもつ変異種を生み出し育成された青梨品種です。
「二十世紀」は非常に食味に優れた梨で、誕生以来何十年と市場に評価されてきたいますが、生産にあたっては黒斑病に弱くその対策に結構な費用と労力が必要なのだそうです。
そこで茨城県つくば市にある国の機関、独立行政法人農業生物資源研究所において1962年から緩いガンマ線の照射実験が始められ1981年にナシ黒斑病徴の見られない一枝を発見、1986年から適応性検定試験がはじまり、その特性が確認され1990年「なし農林15号」として命名登録(農林認定)され、「ゴールド二十世紀」として種苗品種登録が出願、翌1991年に品種登録されました。
◆ゴールド二十世紀の特徴
ゴールド二十世紀は基本的な特徴は二十世紀と同じです。
果実は円形で果皮色は黄緑から黄色で、果肉は黄白色で柔らかくとてもジューシー。そして黒斑病に強いというのが特徴です 。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の形は円、果形指数は中、梗あの深さ及び広さは中、ていあの深さはやや深、広さは中、有てい果の有無は無、果実の大きさは中(300~350g程度)、果皮の色は黄緑、果点の大きさは中、密度は密、果面のさびは中である。
果梗の長さは中、太さは太、肉梗の有無は有、果芯の形は短紡錘、大きさは中、心室の数は中である。
果肉の色は黄白、硬さは軟、粗密はやや密、甘味は中(糖度10度程度)、酸味は中、香気は微、果汁の多少は多である。
開花期は中、成熟期は中で、育成地において9月中旬であり、「二十世紀」よりやや遅い。
芯腐れは無、みつ症状はかなり少、裂果は無、果実の貯蔵性はやや長、黒斑病罹病程度はかなり少である。
「二十世紀」と比較して、黒斑病罹病程度が少ないこと等で、「吉香」と比較して、梗あが浅く狭いこと、ていあが深く広いこと、果点が大きく密であること、黒斑病罹病程度が多いこと等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたゴールド二十世紀の食味
今回入手したものは鳥取県産の「あいみ燦ゴールド」でした。
果実は全体に黄色で、果肉は歯触りが優しく二十世紀と同じようにかじると果汁が滴るほどジューシーでした。酸味は穏やかで甘みが強く全体に丸いふくらみのある味わいでとても美味しい梨でした。
●ゴールド二十世紀の主な産地と旬
◆ゴールド二十世紀の主な産地と栽培面積
ゴールド二十世紀なしの主な産地は二十世紀の産地としても知られる鳥取県です。農林水産省がまとめた全国の栽培面積を見ると、平成27年産では鳥取県が全国の約64%を占めて断トツに多く、次いで島根県、京都府と続きます。
全国の総面積で見ると172.7haとなっており、586.3haの二十世紀に比べるとおよそその3割ということになります。
◆あいみ燦ゴールド
あいみ燦ゴールドは鳥取県西伯郡南部町で作られたゴールド二十世紀のブランドで、通常収穫までに2回袋がけするところを1回にすることでたっぷりと日光を浴びさせて甘みの強い濃厚な味わいに仕上げたものです。
◆ゴールド二十世紀収穫時期と旬
ゴールド二十世紀の成熟期は育成地の茨城県で9月中旬となっていますが、鳥取県などでの収穫は8月中旬ごろから始まるようです。
品種 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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ゴールド二十世紀 |