つきあかり:来歴や特徴と産地や旬

つきあかり,黄桃,もも

●つきあかりとは

◆つきあかりの来歴

 「つきあかり」は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が1991年に農林水産省果樹試験場(現独立行政法人農業・食品産 業技術総合研究機講果樹研究所)千代田圏場において白色モモ品種の「まさひめ(「21-18」×「あかつき」)」に同じく白色モモ品種の「あかつき(「白桃」×「白鳳」)」の花粉を交配し、得られた実生の中から選抜育成された黄肉の中生もも品種です。

 2001年より「もも筑波 121号Jの系統名でモモ(生食用)第 8回系統適応性検定試験に供試され果樹研究所を含む全国22ヶ所の公立試験研究機関による特性の検討を経て、2008年に「つきあかり」と命名され種苗法による品種笠録出願、2010年に品種登録された。

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◆つきあかりの特徴

 「つきあかり」の果実重は250 g程度で、果形は扁円形、果皮の地色は黄色で赤い着色が少なく、無袋栽培でも美しい黄色の状態で収穫できるとされています。ただし、陽光面がわずかに赤く色付くため、全体に黄色く仕上げる場合は袋掛けした方が良いようです。

 果肉は黄色で溶質、肉質は「やや密」です。果汁糖度は平均で14%程度になり、酸味は少なく、黄肉モモ特有の香りがあり、食味は安定して優れています。(農研機構ホームページより)

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 農林水産省の品種登録データベースには「つきあかり」の特性は下記の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさは中、果実の形は円形、果頂部の形は広浅凹、果実の対称性は対称、縫合線の強弱は中、梗あの幅は広、

 果実の地色は黄、果実の着色の型はぼかし状、果実の着色面積は中、果実の毛じの粗密は中、果皮の厚さは中、果皮の付着性は中、

 果肉の硬さは中、果肉の地色は黄、果肉のアントシアニン着色の強弱は弱、核の周辺のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、果肉の肉質は非繊維質、果実の甘味は高、

 核の横面の形は楕円形、核の褐色の濃淡は濃、核の表面の紋様は条、核割れの多少は少、核と果肉の粘離の有無は有、核と果肉の粘離の強弱は強、収穫期は中である。 

 出願品種「つきあかり」は、対照品種「黄金桃」と比較して、果実の大きさが中であること、収穫期が中であること等で区別性が認められる。

  対照品種「あかつき」と比較して、果実の地色が黄であること、果肉の地色が黄であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたつきあかりの食味

 撮影試食した「つきあかり」は和歌山県紀の川市で作られたもので7月18日に届いたものです。箱を開けた時にふわっと黄桃らしい香りが広がりました。

 果実は果頂部がほんのり薄紅色である以外は全体に綺麗な黄色で果形も左右のバランスがとれた丸い形をしていました。果重は260g前後でした。

つきあかり,黄桃,もも

 果肉は果皮より少し濃い黄色で、部分的に赤いさしが入っています。食べた時の肉質はとても果汁が多く、繊維感がほとんどなく、口の中で崩れるような感じです。そしてとても甘いです。酸味が無い訳ではないのですが、甘味の強さでほとんど分からなくなる感じでとても美味しかったです。

 試しに糖度を計ると17前後ありました。

●つきあかりの主な産地と旬

つきあかり,黄桃,もも

◆主な産地と生産量

 「つきあかり」は農研機構が生み出した品種で、『東北から九州までのモモ栽培地域で栽培が可能』とされているので、各地の桃の産地で栽培している農園はあると思いますが、農林水産省が作成した平成30年産特産果樹生産動態等調査の中では全国の栽培地は和歌山県の5haだけしか記載がありませんでした。

 したがって、「つきあかり」の主な産地は和歌山県です。

◆つきあかりの収穫時期と旬

 「つきあかり」の収穫時期は「あかつき」より1週間あまり後で、育成地(茨城県か すみがうら市)で7月下旬から8月上旬となっています。

 主な産地の和歌山県でも旬は7月下旬となっています。

旬のカレンダー

品種 6月 7月 8月 9月
つきあかり                        

< 出 典 >

 ※ 「モモ新品種'つきあかり'」果樹研究所研究報告 = Bulletin of the National Institute of Fruit Tree Science 14号p. 1-9 2012年9月

 ※ 「つきあかり 品種詳細」農研機構ホームページ

 ※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ

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