陽夏妃(ようかひ):来歴や特徴と産地や旬

陽夏妃,ようかひ,桃

●陽夏妃(ようかひ)とは

◆陽夏妃の来歴

 「陽夏妃」は福島県伊達市の斎藤栄一氏が「いけだ」の自然交雑実生より選抜育成した、「いけだ」より1週間ほど遅く収穫できる甘味が強い白肉桃品種です。

 2007年に株式会社天香園によって種苗法に基づく登録が出願され、2009年2月26日に品種登録されています。

◆陽夏妃の特徴

陽夏妃,ようかひ,桃

 「陽夏妃」の果実は果重350gほどで、大きいものだと500gほどになるようです。果形は扁円形で縫合線の溝は比較的浅めです。

 果皮色は乳白色の地色に、ベタ状に全体が濃赤色に着色します。

 果肉は乳白の地色にわずかにアントシアニンの紅色が混じりますが多くはなく、種子の周りも着色は少しだけです。肉質は硬めで繊維質となっています。

 糖度は12~15度と高く、果汁も多く食味抜群の品種となっています。。

陽夏妃の断面と果肉,ようかひ,桃

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさは大、果実の形は扁円形、果頂部の形は広浅凹、果実の対称性は対称、縫合線の強弱はやや弱、梗あの幅は中、

 果実の地色は緑白、果実の着色の型はべた状、果実の着色面積は極大、果実の毛じの粗密はやや密、果皮の付着性は中、

 果肉の硬さは硬、果肉の地色は白、果肉のアントシアニン着色の強弱は弱、核の周辺のアントシアニン着色の強弱は弱、果肉の肉質は繊維質、果実の甘味は高、

 核の大きさは中、核の横面の形は円形、核の褐色の濃淡は中、核の表面の紋様は点・条、核割れの多少は少、核と果肉の粘離の有無は有、核と果肉の粘離の強弱は強、収穫期はやや晩である。 

 出願品種「陽夏妃」は、対照品種「いけだ」と比較して、葉身の幅が中であること、果実の甘味が高であること等で区別性が認められる。

 対照品種「あかつき」と比較して、果肉の肉質が繊維質であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみた陽夏妃の食味

 撮影試食した「陽夏妃」は9月2日に百貨店で購入した山形県産16個入り/箱の特秀品 で、3玉980円でした。

 果皮色はどれも全体に濃く色付いていて白い果点も少し現れていました。皮をむく陽夏妃,ようかひ,桃

 皮は薄くて柔らかく、果梗側から途中までは手でむけましたが、果頂部に近くなると果肉と密着していてナイフが必要でした。

陽夏妃の断面と果肉,ようかひ,桃 陽夏妃の糖度,ようかひ,桃

 食べてみると、食感は比較的しっかりとしていますがゴム質ではありません。果汁も多く酸味があまりないため、甘さが全面に感じられますが、見た目の印象程甘い訳ではなく、計った糖度は12.7度でした。とはいえ、桃のこの糖度は十分に甘い訳で、食感食味ともとても美味しい桃でした。ただ、香りの点ではあまり強くはありませんでした。

●陽夏妃(ようかひ)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

陽夏妃,ようかひ,桃

 「陽夏妃」は全国的に栽培面積はとても少なく、令和元年産特産果樹生産動態等調査には記録がありません。

 主な産地は山形県のようですが、栽培面積や収穫量などは不明です。

 ネットでのお取り寄せを探してみると山形県産のものしか見当たりませんでした。

◆陽夏妃の収穫時期と旬

 「陽夏妃」の収穫時期は福島県伊達市で8月中旬頃から、青森県では8月下旬ごろとなっています。

品種 7月 8月 9月 10月
陽夏妃                        

< 出 典 >

 ※ 「味で人気絶賛! 陽夏妃」株式会社天香園 デジタルカタログ 天香園ベストフルーツコレクション

 ※ 「陽夏妃(ようかひ)~NEW~yokahi」株式会社 原田種苗

 ※ 「登録番号17558 陽夏妃」 農林水産省品種登録データベース

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