蜜柑 ちなつ:来歴や特徴と産地や旬
●蜜柑 ちなつとは
◆立山誠一氏が作り出した温州みかんのブランド
「蜜柑 ちなつ」はみかん農家から「ミカンの神様」や「カリスマ生産者」などと崇められている立山誠一氏(87)が熊本県山鹿市の不動岩果樹園で栽培出荷しているブランドみかんの名称で、みかんの品種名ではありません。(2020年11月記載)
立山氏は50年にわたりミカンの栽培に情熱を注いで来られた方で、みかんの樹に与える水分を調整するなど適度なストレスを与えることで高いレベルで甘味と酸味のバランスがとれた美味しいみかんを作り出されており、百貨店や高級フルーツ店等から高い評価を受けてこられています。
また、各地のみかん栽培についての講演も行われ、その技術を惜しみなく他の生産者さんたちに伝授されている方です。
名称の「ちなつ」はお孫さんの名前から付けられたそうです。
◆蜜柑 ちなつの特徴
立山氏の栽培方法の主なポイントは、
1、夏の間、みかんの樹に与える水分を控えめにし、適度なストレスを与える。
2.山の斜面に、傾斜に対して縦に樹を植えることで水はけをよくする。
3.カルシウム剤や白いマルチシートなどを使うことで水分を調整する。
4.樹と樹の間を十分間隔をあけまんべんなく日光が当たるようにする。
などです。
こうしたことによって、高い糖度と、それに見合った適度な酸味がみかんに備わり、濃厚な味わいに仕上がるとのことです。
◆実際に食べてみた「蜜柑 ちなつ」の食味
今回入手したものは11月12日に届いたもので、品種は「肥のさやか」とのことでした。このあと数日で「きたはら」という品種に切り替わるそうです。
皮は薄く、果肉との間に隙間がないこともあり、ややむきにくい感じではありますが、剥いてしまうとジョウノウに白い綿がほとんど残らず、じょうのう膜も薄いです。
食べてみるとサジョウの粒感が舌に感じられ、甘みと酸味のバランスがとても良く、『甘味はやや低、酸味は低』という「肥のさやか」の特徴とは思えない味の濃いミカンでした。
糖度を量ってみると13.3度でした。極早生でこの糖度という事は、年末に向け「金峰」などはかなりの糖度になるのでしょう。
●「蜜柑 ちなつ」の主な品種と旬
◆栽培されている主な品種
「蜜柑 ちなつ」には極早生種の「肥のあかり」に始まり「肥のさやか」、「北原早生」「宮川早生」「金峰」と5品種の温州みかんが収穫時期をリレーしながら出荷されています。
◆「蜜柑 ちなつ」の出回り時期
「蜜柑 ちなつ」は時期によって品種を変えながら9月下旬から1月中旬頃まで店頭に並びます。
ただ、非常に人気が高いブランドなので、年末のお歳暮の時期には予約しなければ入手することが出来なくなるようです。
品種 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||||
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ちなつ |