チェリモヤ:特徴や主な産地と旬
■チェリモヤとは?
●バンレイシ科・属 (英)cherimoya
チェリモヤは南米の赤道直下にあるペルーやエクアドル、コロンビア南部にかけてのアンデス山脈が原産とされるバンレイシ科バンレイシ属の植物になる果実です。赤道直下とはいえ、標高が高く、年間通じて10~20℃という暑くも寒くもない涼しい環境で生育しているので、熱帯性の果実とは違い、暑さや寒さには弱い性質を持っています。
果実は独特の形をしていて、現地での「チェリモヤ」の意味は「冷たい果実」又は「冷たい乳房」と言う意味があるそうです。かつてイギリスに世界を旅したマルコム卿という方がいて、その人が『東インド諸島のマンゴスチン,エクアドルのパイナップル,そしてアンデスのチェリモヤは天然の傑作』と言ったことから世界の三大美果と称えられるようになったとか。
中の果実はその味や食感から「森のアイスクリーム」と表現されることも多く、アメリカでは「カスタードアップル」と言う呼び名もあります。
●チェリモヤの特徴
果実の大きさは直径10~15cmで、300~600g程、横から見るとハートのような形をしています。
果皮の色は追熟前は緑色で、熟すと薄い茶色を帯びてきます。もともと樹上では熟さないらしく、収穫後追熟させてから食べます。
表面は粗いウロコのような模様ががあり、産毛などはなくさらっとしています。未熟なうちは香りがあまりなく、果実も固いですが、追塾が進むと指で触った時にしっとりとした感じになり、少し柔らかくなります。これ位になってくるとなんとも言えない甘い香りを放つようになり、食べ頃になったことが分かります。
●実際に食べてみると
今回入手したものはチリ産のもので、買ってから1週間ほど室温で追熟させてから食べてみました。
熟す前の果肉は真っ白で固く、食べると甘みもなくモサモサした口当たりで全くおいしくありません。熟したものは乳白色で水分がにじんだような感じになり、スプーンで果肉をすくえるようになります。
熟したものはとても甘く、ほんのり酸味があり、パイナップルをまったりとさせたような・・・もっとクリーミーな・・・うまく説明できませんが、独特の美味しさが楽しめます。
ただ、種が多く、果肉だけをうまくすくうことができないので、一緒に口に入れ、種だけ出すような感じになります。
■チェリモヤの主な産地と旬
●主な産地と生産量
現在では世界各地で栽培されていて南米各国をはじめ、アメリカのカリフォルニアや地中海沿岸諸国などでも作られているようです。
日本でも研究に取り組まれ、1987年に国内では初めて和歌山県で商業栽培に成功し、現在も生産出荷されています。ただ、市場にはごく僅かしか出回りません。
●チェリモヤの収穫時期と旬
輸入物は主に夏から晩秋に掛けてチリ産、冬から初夏に掛けてカリフォルニア産といった具合に、産地を替えながら、1年を通じて出回ります。
国内の和歌山県産は9月頃から翌1月頃まで出回ります。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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和歌山県産 | ||||||||||||
輸入物 |