スカーレット:来歴や特徴と産地や旬
●スカーレットとは
◆スカーレットの来歴
「スカーレット」は山梨県の育種家、植原宣紘氏が植原葡萄研究所において「ロザリオロッソ」に「シャインマスカット」を交配し、得られた実生から育成したブドウで、2010年に初結実しました。
品種名は『緋色(ひいろ)を意味する「スカーレット」。名画「風と共に去りぬ」の主人公で、ヴィヴィアン・リーが演じたスカーレット・オハラのイメージから命名した。』と紹介されています。
種苗法に基づく品種登録はされていないようです。
◆スカーレットの特徴
「スカーレット」の果房はジベレリン処理とフルメット処理により大きな円筒形に仕立てられ、果粒は楕円形から大粒のものは果頂部が平らになり2~3つのコブ状にくびれができるものが多いです。
果皮色は鮮紅から紫紅で果粒重は12~15g。肉質は崩壊性で糖度は18~22度で非常に食味が良いぶどうとなっています。
植原氏の総図鑑の紹介には『中には瀬戸ジャイアンツ的な偏円形もある大粒で、親のシャインマスカットを超える大粒になる。糖度は18~22度あり、高い。外観にボリューム感があり黄緑色のカッタクルガンに匹敵する。マスカット香はない。』とあります。
◆実際に食べてみたスカーレットの食味
撮影試食した「スカーレット」は10月20日に購入した山梨県産のもので、果房全体に緋色で、果粒は上半分が着色し果梗側は黄色っぽい色でした。果粒は1果14g前後で、断面は横が円形、縦は楕円のものから縦長のハートに近い形のものも多いです。
種はなく果肉は崩壊性で皮ごと食べられます。
食味は甘味が強く酸味は少なめで、糖度は22度ありました。ただ、今回食べたものは皮付近の渋みが強く、皮を剥いても渋みがあり美味しいぶどうとは言えないものでした。
渋みの原因は不明ですが、本来の収穫時期よりもかなり遅い時期のものだったので、時期的なものかもしれません。次回機会があれば適期のものを食べてみようと思います。
●スカーレットの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「スカーレット」の栽培面積などの情報がなく、生産量なども分かりませんでした。おそらく、育成地の山梨県が主な産地ではないかと思われます。
◆スカーレットの収穫時期と旬
「スカーレット」の熟期は育成地の山梨県で8月中~下旬となっています。収穫時期は8月下旬ごろから9月にかけてです。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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スカーレット |
< 出 典 >
※ 「スカ-レット(Scarlet)」植原葡萄研究所ホームページ
※ 「スカーレット」ブドウ品種総図鑑 植原宜紘編著 p.129