田中:来歴や特徴と産地や旬
●田中びわとは
◆田中の来歴
「田中」は東京の植物学の先駆者と言われる田中芳男氏が長崎から持ち帰った「唐(から)ビワ」から育成したとされる大果で食味の良いビワで1879(明治12)年に発表し、その後改良を重ね1887(明治20)に結実した品種とされています。
「田中」ビワはその後千葉県に伝わり、房州びわの主要品種として広く栽培されるようになり、東の「田中」西の「茂木」と言われる品種へと広まっていきました。
また、「田中」は大果で食味が良いことから交配親としても重要な品種で、「田中」を親として生み出された品種は「大房」「瑞穂」「房光」「希房」などがあり、さらに孫品種としては「富房」「福原」などがあります。
◆田中の特徴
「田中」は果重60~80gと大果で、果形は短卵形です。果皮は橙黄色で外観が美しいビワです。
果肉は果皮と同じ橙黄色で肉質はやや硬めです。甘味と共に適度な酸味もあり、甘みと酸味のバランスがよく、食味の良い品種として人気があります。
◆実際に食べてみた田中の食味
撮影試食した「田中」は6月下旬に大丸梅田で購入した香川県産のもので、4個入り880円でした。果実は持った感じ大きく感じましたが、70g前後だったので「田中」としては平均的なサイズです。
皮はお尻の方からむくと、全て綺麗に剥くことができます。むいていると果汁が滴るほどジューシーでした。
食べてみると、しっかりと甘みがありつつ、酸味も程よく含まれていて、後口がすっきりした感じでした。いくつでも食べられる、食べたいと思わせられる味わいでとても美味しかったです。計ってみた糖度は13.2度でした。
●田中の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
田中びわの栽培面積は年々減少傾向にありますが、それでも今なおびわ全体で見ると2019年の時点で13.8%を占めています。
主な産地は香川県、兵庫県、千葉県、それに愛媛県で、この4つの県が同じくらいの栽培面積となっており、合わせて全国の約94%を占めています。
◆田中の収穫時期と旬
「田中」びわは晩成種で、色々な品種がある中でも最も収穫時期が遅く、露地栽培では6月中旬から6月下旬にかけてとなります。
市場に出回るのもその時期です。
品種 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||||
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田中 |
< 出 典 >
※ 「びわ|旬鮮図鑑」千葉県ホームページ
※ 「びわの品種」南房総いいとこどり 千葉県南房総市