シナノスイート:来歴や特徴と産地や旬

シナノスイート りんご

●シナノスイートとは

◆シナノスイートの来歴

 「シナノスイート」は長野県果樹試験場において1978(昭和53)年に「ふじ」に「つがる」の花粉を交配させ得られた種を翌年に撒き、1984(昭和59)年に初結実。それ以降選抜育成を行い、交配から16年を経た1994(平成6)年に登録出願、1996(平成8)年に品種登録されたリンゴです。

 こうして、長野県が生み出したリンゴとして「秋映」 「シナノゴールド」と共に長野県の『りんご三兄弟』と呼ばれています。『りんご三兄弟』は全国農業協同組合連合会の登録商標となっています。

◆シナノスイートの特徴

 「シナノスイート」は平均果重380gほどで、やや長円ですが王冠はなく丸みのある形をしています。表皮は綺麗に赤く染まり濃赤色の縦縞が入ります。

シナノスイート りんご

 果肉には果汁が多く、糖度は14~15%ほどですが酸味が穏やかなため、柔らかい甘みが前面に感じられる味わいです。そこからシナノスイートと命名されたようです。リンゴらしい香りも感じられます。シナノスイート 果肉 りんご

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の外観は長円、王冠は無、がくの開閉は閉、がくあの深さ及び広さは狭、こうあの深さは深、広さは広、果実の大きさは大(380g程度)、

 果皮の地色は黄緑、果皮を被う色は赤、色の型は縞明瞭、さびの位置はこうあ、量は無~僅か、果点の形(さび状果点)は無、大きさは中、密度は中、スカーフスキンは無、果皮の光沢は弱、ろう質は中、粗滑の程度はやや滑である。

 果梗の長さ及び太さは中、肉こうの有無は無である。

 果心の形は広楕円、心室の数は中、

 果肉の色は黄、硬さ及びきめは中、蜜の多少は無~僅か、甘味は中、酸味は弱、渋味は無、香気は少、果汁の多少は多である。

 種子の数はやや少、形は倒卵、大きさは中である。

 発芽期及び開花期は中、成熟期は中で育成地においては10月中旬、自家結実性は低、後期落果は無~僅か、普通貯蔵はやや長い、心かびの発生は中である。  

 「ふじ」と比較して、さびの量及び蜜の多少が少ないこと、成熟期が早いこと等で、「つがる」と比較して、果実の大きさが大きいこと、さびの量が少ないこと、成熟期が遅いこと等で、「千秋」と比較して、がくあの深さが深いこと、がくあの広さが広いこと、果実の大きさが大きいこと等で、「やたか」と比較して、蜜の多少が少ないこと等で、「陽光」と比較して、花色が淡桃であること、さびの位置がこうあであること、果肉の硬さが軟らかいこと等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

◆実際に食べてみたシナノスイートの食味

 シナノスイートは適度な硬さでかじった時に果汁がほとばしるほどジューシーです。甘味はほどほどですが酸味があまり感じられないため全体に甘く感じます。

シナノスイート りんご

 写真のものは着色が全体にまわっておらず、まだお尻の部分に緑が残っているものでしたが、甘味はしっかりとありました。

●シナノスイートの主な産地と旬

◆主な産地と栽培面積

シナノスイートの主な産地と栽培面積

 政府がまとめた平成29年産のシナノスイートの全国における生産量を見ると、シナノスイートを最も広く生産しているのは信州長野県で、全国の6割を占めています。次いで青森県、秋田県となっています。

◆シナノスイートの収穫時期と旬

 シナノスイートの収穫時期は10月上旬頃から11月初旬頃までで、出荷は12月中旬頃まで行われます。食べ頃の旬は10月中旬から11月中旬辺りといえます。

旬のカレンダー

品種 9月 10月 11月 12月
シナノスイート                        

< 出 典 >

 ※農林水産省品種登録データベース

 ※農林水産省特産果樹生産動向調査

 ※長野県農業関係試験場ホームページ 新品種開発ストーリー

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