鶯宿梅(おうしゅくばい):来歴や特徴と産地や旬
●鶯宿梅(おうしゅくばい)とは
◆鶯宿梅の来歴
鶯宿梅は古来からある在来種とされる品種で、「鶯宿梅」という平安時代の逸話でも有名です。紀貫之の娘の紀内侍が梅の木に「勅なればいともかしこし鶯の 宿はと問はばいかが答へむ」と詠んだ短冊の話で、ここでは詳細は省きますがその話にまつわる名前が付けられている品種なのです。
この話に出てくる梅の木は臨済宗大本山相国寺の林光院に接ぎ木されながら受け継がれているとされていますが、実梅ではないようなので、ここで紹介する「鶯宿梅」という実梅の品種はこの逸話に出てくる梅の木とは別種という事になります。
◆鶯宿梅(おうしゅくばい)の特徴
鶯宿梅の実は25~30g前後の大きさで、梅酒用などに青梅の状態で収穫出荷されるものが多いです。今回入手したものは一部赤く色づいたものも混じった状態でした。
梅にはヤニ果と呼ばれる、果実から無色透明の液体が固まったグミのようなものが出てくる状態があるのですが、鶯宿梅はこのヤニ果が発生しやすく栽培が難しい品種と言われています。
肉質は硬く、梅干にするとカリカリ梅に仕上がり、赤紫蘇で漬け込んでも綺麗な赤色に染まりにくいようです。どちらかと言えば梅酒やシロップの方が向いています。
●鶯宿梅(おうしゅくばい)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
鶯宿梅は全国各地の梅の産地で 栽培されていますが、産地として有名なのは奈良県や徳島県です。
農林水産省がまとめた平成28年産の特産果樹生産動向調査によると徳島県が最も広く栽培されており、次いで奈良県、大分県となっています。。
◆鶯宿梅(おうしゅくばい)の収穫時期と旬
鶯宿梅の収穫時期は暖かい宮崎県などでは5月中旬から始まりますが、多くの産地では6月中旬ごろから下旬にかけてとなります。
品種 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||||
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鶯宿梅 |
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