フレミッシュ・ビューティー:来歴や特徴と産地や旬
●フレミッシュ・ビューティーとは
◆ベルギーのフランダースで発見された品種
フレミッシュ・ビューティーは1800年代初頭にベルギーのフランダースにあるアロストの森の中でVan Mons(ワン・モンス)氏によって発見された品種とされています。彼によって増殖され、フランス語の「Fondante de Bois(フォンダント・デ・ボア)」という名称が付けられています。
その後「Flemish Beauty(フレミッシュ・ビューティー)」という英語名も付けられ、アメリカでも栽培されるようになりました。日本へは戊辰戦争があった1868年に導入されたらしいので、国内では最初に栽培され始めた西洋梨の一つと言えます。日本では日光に当たった面が赤く色付くことから日面紅(「ひもこ」または「ひめんこう」)という名称がつけられています。
◆フレミッシュ・ビューティーの特徴
フレミッシュビューティーの果実は平均450gほどで西洋梨としては大玉の品種です。果形はふっくらとした卵型で揃いがよく、ふくらみのピークは中央よりやや下方にあります。
果皮色は収穫時は黄緑色の地に、日光に当たっていたものは日光に当たった面が赤く色付いており日面紅(「ひもこ」または「ひめんこう」)という名称の由来となっています。 熟すと地色が黄色く変わってきて食べごろサインとなります。表面には小さな果点が沢山ついています。
果肉は乳白色で溶解性で甘みと芳香が強いのが特徴となっています。
◆実際に食べてみたフレミッシュ・ビューティーの食味
今回入手したものは10月初旬に大阪市中央卸売市場の果物卸、東海商店さんから取り寄せた5Kg10玉入り特秀品です。
大きいものは一玉560gほどありました。
程よく熟した状態で食べたところ、西洋梨らしい柔らかい口当たりで果汁も多く、甘みは中程度ですがバランスのいい酸味が感じられ美味でした。ただ、ラフランスなどに比べると舌触りはやや荒くざらつきが感じられました。
●フレミッシュ・ビューティーの主な産地と旬
◆主な産地と栽培面積
フレミッシュビューティーの主な産地は青森県で、農林水産省がまとめた平成26年産特産果樹生産動態等調査の栽培面積を見ると青森県が全国の半分強を占めています。次いで秋田県が約3割でその他に岩手県や北海道でも作られています。
フレミッシュビューティーは気候的に栽培地が限られ、導入されてからの歴史は長いですが知名度は低く、西洋梨の様々な品種にスポットが当たるようになった昨今掘り起こされるように市場に出回るようになった気がします。西洋梨全体でみても現在は1%程しか栽培されておらず希少な品種となっています。
◆フレミッシュ・ビューティーの収穫時期と旬
フレミッシュビューティーの成熟期は9月下旬頃で、収穫期は 9月下旬から10月上旬にかけてとなっています。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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フレミッシュ・ビューティー |