八雲(やくも):来歴や特徴と産地や旬

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●八雲(やくも)とは

◆八雲の来歴

 「八雲」は1927(昭和2)年、神奈川県立農事試験所(現農業総合研究所)で当時場長だった菊池秋雄氏が育成し命名された青梨品種です。

 当時すでに「二十世紀梨」は市場に広く出回っていたようですが、黒斑病に弱いという欠点があり、この病気に対する抵抗性を持つ、二十世紀に替わる品種を目指し、「二十世紀」に「赤穂(あかほ)」の花粉を交配し得られた実生から選抜育成されました。同じ時期に「菊水」も発表されています。

◆八雲の特徴

 「八雲」の果実は「二十世紀」よりやや小ぶりで、果皮色は黄緑色の青ナシです。

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 果肉はやや透明感のある白で、果汁が多く甘味と共に適度な酸味があるさっぱりとした味わいの梨となっています。

八雲の断面と果肉,やくも,青梨,和梨

◆実際に食べてみた八雲の食味

 撮影試食した「八雲」は8月中旬の購入した鳥取県産で平均果重370gほどのものでした。果皮色は黄緑色にやや黄色味が混じり始めた感じです。

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 食べてみると果肉は軽やかな歯触りでとても歯切れがよく、果汁をたっぷりと含んでいて甘味と共に心地よい酸味もあり、さっぱりとした甘さでとても美味しい梨でした。

 計った糖度は11.2度でした。糖度的には今時のものに比べると高いとは言えませんが、食べた食味としては美味しかったです。

●八雲(やくも)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

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 「八雲」はもう随分と古い品種で、現在ではほとんど見かけなくなっています。令和元年産特産果樹生産動態等調査では銘柄としては記載されていますが、栽培面積は0となっています。

 後は各地の梨産地で個々の農園でわずかに栽培され、直売所などで販売される程度となっています。

◆八雲の収穫時期と旬

 「八雲」の収穫時期は8月上旬ごろから中旬にかけてです。生産者も少なく、見かけた時が買い時と考えましょう。

品種 6月 7月 8月 9月
八雲                        

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