雄宝(ゆうほう):来歴や特徴と産地や旬
●雄宝(ゆうほう)とは
◆雄宝の来歴
「雄宝」は「天山(「ロザリオビアンコ」×「ベイジャーガン」)」をはじめ沢山の品種を生み出している志村富男氏が設立し運営されている志村葡萄研究所において「シャインマスカット」と「天山」を交配し育成された大粒の皮ごと食べられるぶどう品種です。
「シャインマスカット」はアメリカ系が混じっているとはいえヨーロッパ系の特徴を多く受け継ぎ、「天山」もヨーロッパ系の品種なので「雄宝」はほとんどヨーロッパ系と言っていいぶどうに仕上がっています。
◆雄宝の特徴
「雄宝」は果房は円錐形で果粒は何もしなければ楕円形で粒が大きく、果皮色は黄緑から黄色になります。
しかし、市場に出荷されているもののほとんどは種無しにするためにジベレリン処理されており、このホルモン剤の影響によって果粒も25gほどに大きくなり、果粒の形も果頂部が平らか窪んだ形になる傾向があります。写真のものでも大きな粒は30gを超えていました。
また、皮がとても薄く、皮ごと食べられるのも大きな特徴の一つで、果肉はしっかりとしていて皮ごと食べた時に歯切れがよく果汁も多いです。
マスカット香は持っていません。
果皮が薄く日光のもとで育つと黄金色に着色しやすいため、袋掛けで遮光することにより綺麗な黄緑色に仕上げられています。
◆実際に食べてみた雄宝の食味
試食したものは9月21日に直売所で購入した滋賀県産で、かなり大粒ですが一房1000円ほどでした。
果粒は人の奥歯のような形になっているものが多く、大きいもので30gを超えていました。断面を見ると種はなく、代わりに空洞が出来ています。
果肉はしっかりとしていて、薄くスライスしても形が崩れず、適度な歯触りが感じられ、程よい甘さですが酸味があまり感じられないため一層甘さが引き立ってかんじられましたが、後味はさっぱりとしています。
皮ごと食べられるので次々と食べてしまう美味しさです。ただ、マスカットの香りがないのが残念でした。
●雄宝の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「雄宝」は各地のブドウ産地で栽培されてはいますが、数が少なく、個々の農園で少量植えられているにすぎません。
一般のスーパーで見かけることはほとんどなく、産地の直売所や高品質なものは贈答向けに少量出荷されている程度だと思われます。
◆雄宝の収穫時期と旬
「雄宝」はの収穫時期は産地によって差がありますが、早いところで8月下旬ごろから始まり10月中旬頃までとなります。
沢山出回る旬は9月中旬から下旬にかけてです。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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雄宝 |