天山(てんざん):来歴や特徴と産地や旬

天山 テンザン てんざん 種あり ぶどう

●天山(てんざん)とは

◆志村葡萄研究所が開発した大粒品種

天山 種無し テンザン てんざん ぶどう

 天山は山梨県の志村葡萄研究所(志村富雄氏)が、「ロザリオビアンコ」に「ベイジャーガン」の花粉を交配し育成した品種です。

 栽培が難しいことから生産者が少なく、裂果していない良い状態の房は希少性が高く、さらに種無し処理された粒の大きさが世界最大級になったものは超高級品として扱われています。

 中には一粒で50gに達するものを作る生産者もいるようです。



天山 種無し テンザン てんざん ぶどう

◆天山(てんざん)の特徴

天山 テンザン てんざん ぶどう

 天山は果皮の色が黄緑色のぶどうで、特筆すべき特徴は果粒の大きさです。 通常、種有のものは平均果重は20~25g程もあり、ジベレリン処理を2回、フルメット処理1回された種無しの物では40g前後と世界最大級の大きさにすることも可能だそうです。

 粒の形はもともとの種無しの場合やや縦長の楕円形ですが、ジベレリン等による無核処理されたものは粒の先端がやや平らな円筒形になる傾向があります。

 顆粒は種有の場合、果軸にしっかりと付いていて脱粒しにくい。

 欧州系の「ロザリオビアンコ」のDNAを受け継ぎ、薄い黄緑色の果肉は崩壊性で、皮が薄く皮ごと食べられるのも特徴です。

◆実際に食べてみた種ありの天山(てんざん)の食味

天山 テンザン てんざん ぶどう

 写真のものは栃木県の直売所で7月中旬に購入したハウス栽培されたものです。種が入っていたので、おそらくジベレリン処理はされていないと思われ、顆粒はかなり大きいですが特大というものではありませんでした。

 果皮は黄緑色で日にあたっていた面?に細かい赤色の斑点があり、香りは弱くあまり感じられませんでした。

天山 テンザン てんざん ぶどう

 食べてみると確かに果皮は薄く、かじった時にパリッとした歯触りが感じられ、果肉もしっかりとした食感がありながら果汁は多くジューシーで、甘味は程よく、酸味はあまり感じられませんでした。トータルでみて、比較的さっぱりとした甘さで皮ごと食べることができ、次々といくつでも食べられる感じの美味しいブドウでした。

◆実際に食べてみた種なしの天山(てんざん)の食味

天山 種無し テンザン てんざん ぶどう

 写真の天山は岡山県産で8月中旬に購入しました。ジベレリン処理された種無し、顆粒はかなり大きく、一粒30~35g、一房1.7kgもあります。果粒の先がやや平らになっていているのがわかります。

天山 種無し テンザン てんざん ぶどう

 果肉も種無しのものに比べしっかりとしていて、写真のように薄くスライスしてもしっかりとしています。

 食べてみると果皮は薄く、かじった時にパリッとした歯触りが感じられ、幾分種無しよりも食感が強く感じられます。しかし果汁はたっぷり含んでいました。

 写真のものは甘味酸味とも少し弱く、香りもほとんど感じないくらいだったのでブドウの味としては残念なものでした。

●天山(てんざん)の主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 天山は山梨県をはじめ長野県や岡山県、鹿児島県など全国のブドウ栽培地域で作られていますが、皮が薄いため裂果しやすいなど栽培が難しいそうで、個々の農園で少量栽培されているにすぎず、一般の市場にはほとんど出回っていないようです。

 ただ、種無し処理され粒の大きさが世界最大級になったものは希少性も高く、贈答向けとして高値で取引されています。

◆天山(てんざん)の収穫時期と旬

 天山の収穫期は山梨県においては9月上旬から下旬にかけてとされていますが、ハウス栽培されたものは7月頃から出始めます。また、岡山県では8月初旬から中旬辺りまでとなっています。

旬のカレンダー

品種 6月 7月 8月 9月
天山(てんざん)                        

皆さんで是非このサイトを盛り立ててください。よろしくお願いします。