クルガンローズ:来歴や特徴と産地や旬
●クルガンローズとは
◆クルガンローズの来歴
「クルガンローズ」は山梨県の(株)植原葡萄研究所が1985(昭和60)年に「カッタクルガン」に「赤嶺」を交配し育成した鮮紅色のぶどうです。
名称は赤い「カッタクルガン」という事からつけられています。
品種登録はされておらず、多品種栽培されている農園で少量栽培される希少な品種となっています。
◆クルガンローズの特徴
「クルガンローズ」は円錐形の房になり、果粒の形が楕円形で粒が大きく、日光に当たることで鮮やかな赤い色に着色するブドウで「甲斐路」に似たぶどうとなっています。
果皮は剥きやすく、果肉は果汁が多く、糖度は20~23度ととても甘くなる品種です。
ジベレリン等の処理により完全無核化することが可能で、それにより房及び粒も大きくなるとのことです。
本種を育成した(株)植原葡萄研究所のホームページには以下の通り紹介されています。
『-----モルゲン シェーンやカッタクルガンに似た偏円~楕円形大粒11~13g、鮮紅色の大円錐房で外観優美。直光着色品種で甲斐路に似る。糖度は極めて高く20~23度、果皮は剥きやすく香り少なく果肉適度で日本人に向く味わい、多汁である。渋味はない。
裂果は当初なかったが、94年にやや露地で裂果した。熟期は8月下旬~10月初旬で棚持ち良好。
岡山県の方からジベ処理したところ完金無核になり巨大房、巨大粒になるとの報告があった。開花直後の果粒が仁丹大の時に第1回を25ppm、15~20日後に第2回処理を25ppmのジベにフルメット3ppmを加えて行う。強い剪定で大粒化し、種は全部抜ける。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたクルガンローズの食味
今回入手したものは岡山県の花澤ぶどう研究所で作られたもので、着色は粒によりばらつきがあり、濃い赤紫色から薄紅、黄緑がグラデーションのように散らばっている様がかえって美しく感じます。
ぶどうらしい香りは乏しいですが果肉はとても甘くジューシーで甘く、着色しているものとしていないものを食べ比べてみても大きな違いは感じられませんでした。
皮はやや薄いですが皮ごと食べるには少し硬く口に残る感じです。しかし手で簡単に剥く事が出来ます。皮を剥いて食べた時にもわずかに渋みが感じられました。
トータルで見てとても美味しいブドウだと思いました。見た目もとても可愛いです。
本種はジベレリン(ホルモン剤)処理により種無し大粒にすることができますが、花澤ぶどう研究所では使用せず、種有となっています。
●クルガンローズの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「クルガンローズ」は各地のブドウ産地で栽培されていますが、個々の農園で少量ずつ栽培されるにすぎず、大消費地の中央卸売市場にまとまった量が出荷されたことは無いと思われます。
農林水産省の特産果樹生産動向調査には栽培面積などの記録も見当たりませんでした。
◆クルガンローズの収穫時期と旬
「クルガンローズ」の熟期は8月下旬~10月初旬頃となっており、産地にもよりますが収穫最盛期は9月上旬から中旬辺りです。
スーパーなどには並ばない品種なので、購入したい場合は扱っている農園に問い合わせするか産地の直売所で探さなくてはなりません。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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クルガンローズ |