マスカ・サーティーン(Musca Thirteen):来歴や特徴と産地や旬
●マスカ・サーティーンとは
「マスカ・サーティーン」は植原葡萄研究所が「ロザリオロッソ」と「シャインマスカット」を交配し育成した皮ごと食べられる黄緑色のブドウ品種で、「シャインマスカット」よりも皮が薄く果肉が柔らかいことやマスカット香が強いことなどの特徴があります。
◆マスカ・サーティーンの来歴
「マスカ・サーティーン」は植原葡萄研究所を営む植原宜紘氏が「ロザリオロッソ」と「シャインマスカット13号」を交配し2011年に初結果した果皮が黄緑色で皮ごと食べられるぶどう品種です。
種苗法に基づく品種登録はされていませんが、全国的なブドウ栽培専門家の会JVC(ジャパン・ヴィティカルチャー・クラブ)において2015年、2016年と「これから栽培したい品種」として1位に選ばれています。
「シャインマスカット」に比べ生産者が少なく、あまり市場では見かけませんが、知る人ぞ知る美味しいぶどうの一つです。
◆マスカ・サーティーンの特徴
「マスカ・サーティーン」の果房は円錐形に仕立てられ、ジベレリン処理によって種無しになります。
果粒は12~15gで、果形は円形から卵型で、大粒になるとカッタクルガンのような果頂部が平らになる傾向があります。
果皮色は黄緑~白黄色で、皮が薄く「シャインマスカット」の陶器のような不透明感とは違い透明感がある。
果肉は崩壊性ですが「シャインマスカット」より柔らかめで果汁が多く、さわやかなマスカット香があり、糖度は18~20度と高胃のが特徴。
◆実際に食べてみたマスカ・サーティーンの食味
撮影した「マスカ・サーティーン」は10月8日に直売所で購入した奈良県産のもので、果粒は14~16gでした。
特徴にあるようにシャインマスカットに比べ果皮に透明感があり、プルンとした柔らかそうな印象を受けました。
果粒はしっかりと果梗に付いており、脱粒もしにくく、もぎ取るのに少し力がいるくらいです。
食べてみると、皮は薄いのですが、果肉が柔らかいので、シャインマスカットのようにパリッとした食感のかじるような感じではなく、果肉は滑らかな舌触りで果汁感が強く、鼻からマスカット香がしっかりと感じられとても美味しいです。ただ、果肉の柔らかさに対して、皮が薄いけど口に残り気味なのが少し気にはなりました。
そこで試しに皮をむいてみることに。皮は果頂部側からむくと綺麗に剥く事が出来ました。果梗側から剥くと果頂部までの途中までしか上手く剥けません。皮をむいた果肉は舌触りがとても良く、申し分なく老いshく多ベルられました。今回購入したものはいくつか種子が入っているものもありました。計ってみた糖度は16.9%でした。
●マスカ・サーティーンの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「マスカ・サーティーン」の栽培面積や収穫量は令和元年産特産果樹生産動態等調査にも記録がなく不明です。
主な産地は育成された山梨県です。その他各地のブドウ産地で個々の農園が少量生産しています。
◆マスカ・サーティーンの収穫時期と旬
「マスカ・サーティーン」の熟期は育成地の山梨県で8月下旬~9月中旬となっています。市場には10月上旬頃まで出回ります。
品種 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||||
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マスカ・サーティーン |
< 出 典 >
※ 「マスカサーティーン」ブドウ品種総図鑑 植原宣紘 編著 創森社 p.106
※ 「Musca Thirteen マスカ・サーティーン」 品種リスト 株式会社 植原葡萄研究所