甲斐のくろまる:来歴や特徴と産地や旬

甲斐のくろまる ぶどう ブドウ

●甲斐のくろまるとは

◆甲斐のくろまるの来歴

 「甲斐のくろまる」は2005(平成17)年に山梨県果樹試験場において「ピオーネ」に「山梨46号(「巨峰」×「巨峰」)」を交配し、得られた実生から選抜育成された果皮色が紫黒に着色しやすい四倍体ブドウ品種です。

 2009(平成21)年に”生食ブドウ山梨 2 号”という系統名がつけられ2010(平成22)年12月に山梨県によって品種登録申請出願、2013(平成25)年に品種登録されています。

「甲斐のくろまる」という名称の由来は、『甲斐の国,山梨で生まれたオリジナル品種で あり,果皮は着色性に優れ真っ黒になり、果粒 の形がまん丸であることに由来する』とのことです。

◆甲斐のくろまるの特徴

甲斐のくろまる ぶどう ブドウ

 「甲斐のくろまる」は手を加えず結実させると果房の形は有岐円錐で着粒は粗いのですが、2回のジベレリン処理(満開期にジベレリン 25 ppm 加用ホルクロルフェニュロン液剤 5 ppm、満開 2 週間後にジベレリン 25 ppm の 2 回の浸漬処理)と適した摘粒を行うことで種無しになり、果粒が円形で、果粒重は14g程度になり、房に蜜に着粒した状態になる。

 果皮色は紫黒色に着色しやすく、皮の厚みは中くらいでむきやすい。

 糖度は18%程で酸度は0.6%程とやや少なめなので甘く食味が良いぶどうとなっています。

 また、色が濃くアントシアニンを巨峰やブラックビートなどよりも多く含んでいる野も特徴です。

(※山梨果試研報第 13 号:15-20.2014より)

甲斐のくろまる 断面 ぶどう ブドウ

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果房の大きさは大、果房の着粒密度は粗、穂梗の長さは長、穂梗の色は淡緑、

 果粒の大きさは大、果粒の形1は球形、果皮の色は青黒、果粉の多少は多、果皮の厚さは中、果皮と果肉の分離性は中、

 肉質は中間、果汁の甘味は中、果汁の多少は多、果実の香りはフォクシー、熟しょうの色は暗褐、花振るいの多少は多である。  

 出願品種「甲斐のくろまる」は、対照品種「巨峰」と比較して、果粒の形1が球形であること、果粉の多少が多であること、果皮の厚さが中であること等で区別性が認められる。

 対照品種「ピオーネ」と比較して、幼しょうの先端の綿毛の密度が密であること、若葉裏面の葉脈間の綿毛の密度が中であること、果粒の形1が球形であること、果粉の多少が多であること等で区別性が認められる。

-----』 以上、抜粋。

◆実際に食べてみた甲斐のくろまるの食味

 今回入手したものは9月末JAグループ山梨の甲斐のくろまる専用紙に包まれたものです。

皮を剥いた甲斐のくろまる ぶどう ブドウ

 全体に色が濃く、ほとんど真っ黒という印象でした。まさに名前の通りです。

 皮は手で綺麗に剥く事が出来ました。皮はそこそこ厚みがあり、食べるられません。

 果肉はしっかりとしていますが食べた時に固さや繊維感は感じません。種はなく、糖度の高さが感じられる強い甘みと強すぎない酸味のバランスがイイ感じで美味しいぶどうでした。ピオーネと巨峰にフォクシー香があるように、それを受け継いでこの「甲斐のくろまる」にもしっかりとありました。

●甲斐のくろまるの主な産地と旬

甲斐のくろまる ぶどう ブドウ

◆主な産地と生産量

 「甲斐のくろまる」は山梨県が生み出したオリジナル品種として、現在は山梨県内でのみ栽培されています。

◆甲斐のくろまるの収穫時期と旬

 「甲斐のくろまる」の成熟期は山梨県において8月上旬となっています。

「巨峰」よりも10日ほど早い8月上旬に収穫出来る品種とされ、収穫は早いものは7月下旬ごろから始まり9月下旬ごろまでとなります。

旬のカレンダー

品種 7月 8月 9月 10月
甲斐のくろまる                        

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