ゆうべに:来歴や特徴 産地と旬
●ゆうべにとは
◆熊本県のオリジナル品種「熊本VS03」
熊本県農業研究センターが、熊本県内でのいちご栽培面積の6割を占める 「さがほのか」に代わる品種として、2005(平成17)年から約9年間にわたり開発に取り組んできた品種で、2015年にデビューしました。
赤い着色が優れ、食味が良い育成系統「07-13-1」(種子親)に、極早生で収量生が高い「かおり野」を花粉親として交配して生まれた系統から選抜育成されたイチゴだそうです。
2014(平成14)年に品種の登録出願がなされ、翌2015年に名称を全国から公募、5178件の応募の中から「ゆうべに」がえらばれました。名前は熊本県の熊(ユウ)と、果肉も赤く、口紅やほお紅をイメージさせることから付けられたそうです。
2015(平成27)年に三大都市に向けて初出荷されたばかりの新しい品種で、クリスマスに向け栃木県の「とちおとめ」や「スカイベリー」、それに福岡県の「あまおう」などのシェアに食い込んでくることになりそうです。
◆ゆうべにの特徴
形は円錐形で比較的整った形をしており、大粒の傾向があるとされています。果皮色は全体に赤く色付きやすく、そう果の落ち込みは深くなく、果実表面にそう果が出るか出ないかといったところ。
果肉はややしっかりとしていて、断面を見るとわかるように中の果肉も赤く色が入っています。果芯の空洞はわずかにみられます。
2016年12月現在、まだ品種登録が確定しておらず、農林水産省のデータベースには品種の特性が公表されていません。
◆実際に食べてみた食味
今回入手したものは12月初旬にスーパーで1パック480円で購入したものです。形や色艶がよく、香りも華やかな花のような感じでやや強めでした。かじったときの食感は固くなく、でも柔らかすぎず丁度良い感じです。ただ、甘味と酸味のバランスはいいと思うのですが、見た目で期待したほどの甘さはありませんでした。デビューして間がないことや、時期的に早いからかもしれません。次回に期待したいと思います。
●ゆうべにの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
ゆうべには熊本県のオリジナル品種で、現在熊本県でのみ栽培出荷されています。
2015(平成27)年度の出荷は2haでの栽培で125トン、2016年度は45haを超え、2173トンに増える見込みだそうです。(熊本日日新聞記事より)
◆ゆうべにの収穫時期と旬
収穫はハウス栽培にて11月中旬から始められ、クリスマス時期から年末年始の需要にも対応しつつ5月頃まで安定して収穫できるようです。出荷の最盛期は12月中旬から翌3月頃までと思われます。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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ゆうべに |