スカイベリー/栃木i27号 < いちご 

スカイベリー(栃木i27号)

■スカイベリーとは?

●スカイベリーの来歴

 「女峰」から「とちおとめ」と長年イチゴ生産量日本一を維持してきた栃木県ですが、近年全国各地のイチゴ産地ではオリジナル品種の開発競争が激化し、人気品種も沢山生まれています。そんな中、平成23年には「とちおとめ」の有効期限が切れ、全国どこでも生産できるようになってしまう事もあり、他府県産と差別化できる次のオリジナル品種が待ち望まれていました。

 「スカイベリー」はそんな栃木県が全国で始めて設置したイチゴ研究所から、打倒「あまおう」を目標に生み出された新しい品種です。正式な品種名は「栃木i27号」といいます。

とちあいか(栃木i37号)とちおとめ スカイベリー(栃木i27号)

 「スカイベリー」の育成過程は下記のとおりです。

2006(平成18)年 非常に大果で玉揃いと果形が良く光沢が有り、果実外観に優れる「00-24-1」に、硬度はやや低いが、糖度が高く食味が優れ、炭疽病に耐病性がある「栃木20号」の花粉を交配。

2008(平成20)年 得られた実生の中から「06-36-1」を選抜。

2009(平成21)年 特性検定試験実施。外観品質、収量性が 優れ,炭疽病および萎黄病に対する耐病性が認められたため、「栃木27号」と系統名を付した。

2010~2011(平成23)年 系統適応性検定試験実施。

2011(平成23)年11月 「栃木i27号」として種苗法に基づく登録出願。

2012(平成24)年 出願公表し、全国から名称を公募。

2014(平成26)年 品種登録完了。

スカイベリー/栃木i27号<いちご/イチゴ

 「スカイベリー」という名称は、2012(平成24)年に全国から公募され、9月に4338件の応募の中から選ばれたものが商標として登録されました。『「大きさ、美しさ、美味しさ」の全てが大空に届くような素晴らしいいち』ごという意味が込められているそうで、百名山の一つ栃木県の「皇海山」(すかいさん)」にもちなんでいるとの事です。

栃木県 スカイベリーホームページ http://www.tochigi-skyberry.jp/

●スカイベリーの特徴

 「スカイベリー」の果実は大きく、25g以上の大粒になるものが6割を超えるとされています。全体に粒ぞろいがよく、形はややなで肩の円錐形で、表皮の色は明るく艶のある濃い橙赤色です。そう果の窪みは中くらいで、そう果の色は黄緑から赤です。

 ガクはあまり大きくなく、付け根の部分はくぼんでいます。

スカイベリー(栃木i27号)

 果肉は薄い橙赤で、果心部まで色が付いており、中心部の空洞は小さいです。糖度と酸度のバランスがよく食味はとちおとめ並みにいいいちごとなっています。

  収量は「とちおとめ」よりも多く、 炭疽病及び萎黄病に対する耐病性が「とちおとめ」より強いとされています。

スカイベリー/栃木i27号<いちご/イチゴスカイベリー/栃木i27号<いちご/イチゴ

 農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。

『-----

 果実の大きさはかなり大、果実の縦横比は縦長、果実の形は円錐形、

 果皮の色は橙赤、果実の光沢の強弱は中、そう果の落ち込みは落ち込み小、

 果実のがく片の付き方は水平、果径に対するがく片の大きさはやや大、

 果実の硬さはやや硬、果肉の色は橙赤、果心の色は淡赤、果実の空洞は無又は小、季性は一季成りである。

 出願品種「栃木i27号」は、対照品種「姫香」と比較して、花の数が少であること、花の直径が中であること等で区別性が認められる。

 対照品種「まりひめ」と比較して、果皮の色が橙赤であること、果実の成熟期がやや晩であること等で区別性が認められる。

 対照品種「濃姫」と比較して、果皮の色が橙赤であること、果実の成熟期がやや晩であること等で区別性が認められる。

-----』以上、抜粋。

●実際に食べてみたスカイベリーの食味

  2021年2月に取り寄せた那須いちごの森で作られた「スカイベリー」は一粒50g前後の大粒で、ほとんどのいちごが全体にガクの付け根まで色付いていました。

スカイベリー(栃木i27号)

 箱を開けるといちごらしい香りが強く感じられ、艶のある果実はどれも整った円錐形でした。

 食べてみると甘味がしっかりとあり、それと共に程よく酸味も効いていてとても美味しいいちごでした。糖度を計ってみると11~12.7度ありました。

スカイベリー(栃木i27号)

 2014年2月に京都の百貨店で購入した「スカイベリー」はどれも縦長の円錐形で形が整っており、艶がありましたが、色付きを見ると若干若いようにも見えました。

スカイベリー(栃木i27号)

 食べてみると、固さはややしっかりとしていて、噛んだ時に優しい歯ざわりが感じられ、適度な果汁が口に広がりとても良い食感が得られます。味的には、特別甘いという印象はありませんが。甘味と酸味のバランスが良く、香りも十分にあり、美味しいイチゴです。

●スカイベリーの収穫時期と旬

 「スカイベリー」は早生種で収穫時期は「とちおとめ」とほぼ同じとされています。12月初旬頃から始まり、1月から3月頃が最盛期となり5月初旬頃まで続きます。本格的な出荷は2014年に始まったばかりで、今後作付面積も拡大され、出回る量も増えてくるでしょう。

旬のカレンダー 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
スカイベリー                        

< 出 典 >

 ※ 「育成品種の紹介 栃木i27号(商標名:スカイベリー)」栃木県農業試験場 栃木県ホームページ

 ※ 「いちご王国を支えてきた 品種開発50年」栃木県農業試験場いちご研究所 2020年11月

 ※ 「スカイベリー育成系譜図」栃木県ホームページ

 ※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ

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