●タヌキメバルの生態や特徴
◆タヌキメバルとは
分類:魚類 > 条鰭綱 > カサゴ目 > カサゴ亜目 > メバル科 > メバル亜科 > メバル属(日本海洋データセンターより)
学名:Sebastes zonatus Chen & Barsukov, 1976
和名:たぬきめばる/狸眼張
英名:Banded jacopever
別名:キツネメバル、シロソイ、ツジノミ(辻のみ)、マゾイ
タヌキメバルは長年キツネメバルと混同され、同種または亜種とされてきたが、2011年東海大学の武藤氏らによる研究により、それぞれ別種である事が判明した。ただ、まだ分化して浅いからか両種の中間的なものもいて判別が難しい個体も多い。
富山では「ツジノミ(辻のみ)」や「シロソイ」と呼ばれている。また北海道や山陰など、キツネメバルと区別せず「マゾイ」と呼ばれていたりする。
メバルやソイの仲間と同じく美味しい白身の魚で大きいものは高値で取引されている。
◆タヌキメバルの生態
タヌキメバルは朝鮮半島沿岸、北海道南部辺りから南は九州西岸辺りまでの日本海沿岸、及び中部辺りまでの太平洋沿岸、四国沿岸に分布し、比較的浅い水深100m程までの岩礁域や根が点在する砂泥底などで甲殻類、多毛類、それに大きく成長すると小魚も捕食し生息する。近縁種のキツネメバルと生息域が重なるところが多く、交雑したと思われる個体も多い。
メバルと同じく卵胎生で、晩秋から冬にかけて沖合の深場で交尾し、春には浅い沿岸に寄り初夏頃稚魚を出産する。
◆タヌキメバルの特徴
タヌキメバルは全長40cmほどで、写真のものは32cmでした。
体形は側扁しクロソイと似ており、エラ蓋の縁が棘状になっている部分がある。ヒレはいずれも体に対して大きく、背ビレの棘条は固く鋭いので扱う際は注意が必要だ。また、腹ビレ、臀(しり)ビレにも固く鋭い棘条がある。
体色はクロソイのように黒くはなく全体に赤紫から褐色系で、白い部分があり、パッと見た感じでウロコを落とした後のようにも見えるが、よく見るとちゃんと白い部分もウロコがあるのが分かる。
体側には白地に褐色の横縞が太い帯状に入っており、キツネメバルとの判別の目安にもなっている尾の縁は白く帯状に縁取られている。
●タヌキメバルの主な産地と旬
◆主な産地
タヌキメバルはキツネメバルやクロソイと生息場所が重なっており、北海道や青森県など、北国での漁獲が多く、太平洋側よりも日本海側で多く漁獲されている他、まとまった量にはならないようだが北陸から山陰にかけての日本海沿岸や中部辺りまでの太平洋沿岸でも漁獲されている。
◆タヌキメバルの漁獲時期と旬
タヌキメバルは定置網や刺し網、底建て網、釣りなど様々な漁法で漁獲されているが、この魚だけを目的とした漁は無く、色々な魚と共に混獲され水揚げされるため量的な差異はあるが一年を通して市場には出荷されている。漁獲量が多いのは沖合と沿岸を移動すると思われる秋から初冬にかけてと、春から初夏にかけての年に2回ピークがある。
初夏に獲れる雌はおなかの中に仔を抱えているものも多く、食べて美味しい旬の時期は晩秋から冬と思われる。
旬のカレンダー | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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タヌキメバル |
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