李王(りおう):来歴や特徴と産地や旬
●李王(りおう)の来歴や特徴
◆李王(りおう)の来歴
「李王」は山梨県中巨摩郡甲西町落合(現:南アルプス市落合)において深沢渉氏が育成した「大石中生」と「ソルダム」との交雑実生の早生種で、1988年に種苗法に基づき登録申請、1990年に品種登録されています。
◆李王(りおう)の特徴
「李王」は平均果重107gほどのやや大きめのスモモです。果形は果頂部が平らな短心臓型で果皮色は淡紅色から熟すにしたがって濃い紅色へと着色していきます。
果肉は淡黄色で、肉質はやや柔らかく、糖度は13度前後で酸味はスモモとしては少ない方です。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の外観は円、果頂部の形は平、果頂部の空洞はかなり小、梗あの深さ及び広さは中、果実の大きさはやや大(90g程度)、
果皮の地色は緑黄、着色は紅紫、果粉の多少は少である。
果肉の色は淡黄、硬度は中、粗密は密、果汁の多少及び甘味は多、酸味は少、渋味及び苦味は無である。
核と果肉の粘離は半粘、核の形は楕円、大きさは中である。
開花期は中で4月上旬、成熟期は早で、育成地において7月上旬である。
生理落果の多少はかなり少、裂果は無である。
「大石中生」と比較して、果肉の色が淡黄であること、果皮の着色が紅紫であること等で、「ソルダム」及び「サンタローザ」と比較して、果肉の色が淡黄であること、酸味が少ないこと等で、「メスレー」と比較して、果肉の色が淡黄であること、果実の大きさが大きいこと等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた李王(りおう)の食味
撮影試食した李王は7月中旬に購入した山梨県産のもので、110g前後と平均的なサイズのものでした。
縫合線に沿って種に当たるまで一周ナイフをいれ、左右を手で持って軽くひねると綺麗に種と実がはずれました。
食べた食感は比較的柔らかめで、糖度はあまり高くはなかったのですが、酸味が少ないので甘く感じました。
果肉の色が綺麗な黄色なので、赤紫色の果肉のスモモと交互に盛り付けると見栄えが良いと思います。
●李王(りおう)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
農林水産省がまとめている特産果樹生産動態等調査を見ると、李王の栽培面積は2008(平成20)年度の時点では山梨県2.6haをはじめ、青森県2.0ha、山形県1.5haなど全国で7.1haが記録されていますが、その後新しい品種への転換が進み、2016(平成28)年から2018(平成30)年にかけては青森県のみとなり、栽培面積も1.0haとなっています。
ただ、各地のスモモ産地では個々の農園で栽培されているところもあり、2021年も山梨県から出荷もされています。
◆李王(りおう)の収穫時期と旬
李王の収穫時期は育成地の山梨県アルプス市において7月上旬に成熟する早生種となっています。
主な産地の青森県ではもう少し後にずれ7月下旬から8月中旬頃になると思われます。
品種 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
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李王 |
< 出 典 >
※ 「李王(りおう)」中央果実協会ホームページ
※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ