◆ハリウッドの来歴
「ハリウッド」はアメリカで発見された、紅葉スモモとも呼ばれる「ミロバランスモモ(Prunus cerasifera 'Pissardii')」と「ニホンスモモ(Prunus salicina)」の雑種で、1936年にLL,Brooks氏によって商業的に導入されました。交雑親は栽培品種「ドゥアルテ」と考えられています。
ちなみに、現在アメリカで「ハリウッド」として販売されている苗木の多くは「Trailblazer(トレイルブレイザー)」という品種であるとも言われています。
この「ハリウッド」という品種は「ミロバランスモモ」の特性を受け継ぎ、葉た枝がが赤紫色で美しく、花も沢山付けることから観賞用の庭園樹としても人気があります。また、国内においては、他の品種の受粉樹として植えられることが多いようです。
これまで受粉用として植えられ、この樹になった果実はほとんど市場には出回らなかったのですが、「ハリウッド」の果実は果皮も果肉も濃い赤紫色でアントシアニンを豊富に含んでいることから、その色を活かした加工向けや生食向けに少しずつ出荷されるようになってきました。
◆ハリウッドの特徴
「ハリウッド」の果実は比較的整った円形で、果頂部も丸く、縫合線もほとんどわからない感じです。果重は50~60g程度とやや小ぶりで、最大の特徴は果皮、果肉ともに濃い赤紫色に着色することです。
この赤紫色にはアントシアニンがたっぷり含まれており、ジャムなどに加工しても綺麗に発色します。
糖度も13〜15度あり、酸味が穏やかで、受粉用品種の中では食味が良い品種となっています。
◆実際に食べてみたハリウッドの食味
今回撮影試食した「ハリウッド」は佐賀県伊万里産のもので6月末に購入しました。
果実は平均60gあまりで、どれも綺麗な丸い形をしていました。縫合線辺りで半分に切ると、種の身離れがとても良く簡単に取り出せました。
果肉は一様に美しい赤紫色で、食べてみると果汁と共に甘味もしっかりとあり、スモモとして十分に美味しいと思いました。しかもこの色です。
ちなみに、串切りにしてから皮をむいたのですが、手でも簡単に剥く事が出来ました。
●ハリウッドの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「ハリウッド」は各地のスモモ産地で、受粉用として植えている農園があると思いますが、農林水産省の特産果樹生産動態調査には記録がなく不明です。
佐賀県のJA伊万里から市場に出荷されています。
◆ハリウッドの収穫時期と旬
「ハリウッド」の収穫時期はハウス物では6月中旬から、露地ものは山梨県辺りだと7月中旬ごろから、長野県では8月中旬からとなっています。
ハリウッド | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
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ハウス物 | ||||||||||||
露地物 |
< 出 典 >
※ 「スモモ「ハリウッド」のジャム加工適性」長崎県ホームページより
※ 「Purpleleaf Plum Trees by Arthur Lee Jacobson」