レンブ:来歴や特徴と産地や旬

愛ランドルビー(赤レンブ)と代表的なレンブ

●レンブの分類と特徴

◆レンブとは

分類:フトモモ目 > フトモモ科 > フトモモ属

学名:Syzygium Samarangense

英名:Wax Apple 仏名:jamalac

和名:ジャワフトモモ

別名:レンブ/蓮霧、デンブ(沖縄)

 レンブはマレー半島が原産とされるフトモモ科の熱帯果樹になる果実で、インドネシアやマレーシア、ベトナムをはじめインドやフィリピン、台湾など東南アジアの熱帯地域で自生あるいは栽培されています。国内では1940(昭和15)年に沖縄県農業試験場が台湾から導入して以来沖縄や奄美群島で栽培されています。同じフトモモ科の果物としてはグァバやフェイジョアなどがあります。またコアラが食べるユーカリもそうです。

 近縁種に「ミズレンブ」”Syzygium aqueum”があり、いずれも似ていて食用となることから混同されがちのようです。厳密には「レンブ」”Syzygium Samarangense”は英語で”Wax Apple”とよばれるもので、「ミズレンブ」”Syzygium aqueum”は”Water apple”、”Rose apple”と呼ばれるものだそうです。

愛ランドルビー,アイランドルビー,レンブ,沖縄県産,赤レンブ,Rose-apples,Wax Apple

 色々な写真を見ても正直なところレンブとミズレンブの違いが分かりにくく、また、それらを正しく解説しているかどうかも疑わしい情報が多いように見受けられます。特に日本では沖縄以外では馴染みがなく、”レンブ”は「レンブ」や「ミズレンブ」の総称的な呼称と考えた方がいいかもしれません。

◆レンブの特徴

 レンブにはいくつかの品種がありますが、いずれも円錐形に近い形をしており、果頂部は4つの外皮が包み込むような形で中心部はくぼんで空洞ができています。

愛ランドルビー(赤レンブ)と代表的なレンブ

 外皮は英名で”Wax Apple”と呼ばれるようにワックスを塗ったように艶々しており、色は薄いピンク色のものから赤い物、黒っぽいものまで品種によって違いがあります。

レンブの断面,ミズレンズ,ジャワフトモモ,蓮霧 愛ランドルビーの断面,アイランドルビー,レンブ,沖縄県産,赤レンブ,Rose-apples,Wax Apple

 中の果肉は白く、果芯に小さな種がはいっているものと無いものがあります。肉質は果芯に近くなるほど粗くスポンジ状になっていますが、シャキシャキとした食感で、甘味と酸味、それに渋みなどがあります。

 果実はほのかにリンゴのような華やかな香りを発し、食べると独特の風味が感じられます。

◆レンブの主な品種

 レンブにはミズレンブも含め大きさや色など色々あります。ここでは「愛ランドルビー」という名称で出荷されている物と、沖縄では一般的なレンブを紹介しています。

●レンブの選び方と保存方法

◆選ぶ時のポイント

 表面がつややかでくすんでいないものが新鮮。傷がなく手に持った時に軽すぎないものを選びます。

 果実の色が濃く、果頂部がしっかりとすぼんでいるものほど甘味が強くなる傾向があります。また、果頂部が開き気味で奥まった果頂部の周囲にリング状のピンクの帯が現れているものほど甘味が強いとも言われています。

◆保存方法

 レンブの果実は傷みが早く、冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べた方が良いです。冷凍保存も含め長期保存には向かない果物です。

●レンブの美味しい食べ方

愛ランドルビー,アイランドルビー,レンブ,沖縄県産,赤レンブ,Rose-apples,Wax Apple

◆生食が一般的

 レンブは生のまま食べるのが一般的です。皮はむかなくても良いのですが、果梗近く(ヘタ)と、果頂部の内側に丸まった部分は切り取ってしまうことが多いです。頭のヘタの部分を切り落とし、生のままかじるように食べ、お尻の部分を残す感じです。

 皿に盛り付ける時は縦に4つ割りにし、ヘタの部分とお尻の部分、それと果芯部のフカフカになっている部分を切り落として盛り付けると良いでしょう。

◆サラダに

 生のままヘタと果頂部を切り取り、串切りやスライスしてサラダに加えます。また、キュウリやパプリカなどと共に、小さなダイスにカットしてダイスサラダにしても良いでしょう。

 シャキシャキした食感と、特有の香りや酸味、それに渋みが良いアクセントになります。

 写真は野菜ソムリエプロの辻川育子さんによる、レンブにタコとアボカドを合わせたサラダ。『レンブは、少し遅れて優しい酸味と甘味がきました。シャキシャキみずみずしさもあり、サラダに合いますね』とのことでした。

◆レンブの炒め物

 レンブを串切りにし、他の野菜と共に炒め合わせても美味しいです。

 片栗粉をまぶして揚げた白身魚と、レンブやピーマン、ナーベラーなどの野菜を炒め合わせてみたところ、レンブの甘みと酸味がよく合いました。

 食感を残すため火を通し過ぎないよう仕上げに加えるようにするとがポイント。

 また、下の写真は炒めたわけではありませんが、白身魚のムニエルに、仕上げにトマトと共に小さなダイスに切ったレンブと刻んだ小葱をドレッシングで和えてトッピングしたものです。

 これもいい感じでした。

●レンブの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 レンブは台湾や東南アジアでは身近な果物として親しまれていますが、熱帯性の植物で寒さに弱いため国内では沖縄県や鹿児島県の奄美群島が主な産地となっています。

 保存性が低く、本州の市場に出荷される量は極わずかで、多くが産地で消費されています。

◆レンブの収穫時期と旬

 レンブの収穫時期は台湾辺りでは5~7月の初夏と11~3月の冬だそうですが、沖縄では、6月から9月頃にかけてで、旬は6月中旬頃から8月にかけての盛夏となります。

品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
レンブ                        

< 出 典 >

 ※ 「Water Apple: Health Benefits, Nutrition, Uses For Skin And Hair, Recipes, Side Effects」 Netmeds.com November 19, 2021

 ※ 「蓮霧(レンブ)」 農業易遊綱 台湾果物の旅

皆さんで是非このサイトを盛り立ててください。よろしくお願いします。