ドワイアンヌ・デュ・コミス(Doyenne du Comice)<西洋梨の品種

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■ドワイアンヌ・デュ・コミス(Doyenne du Comice)とは?

●フランスで生まれた西洋梨

 ドワイアンヌ・デュ・コミスは1849年に、フランスのアンジェ地方にあるコミス・ホルティコール果樹園で生まれ、それ以来今なお定評がある品種です。

 日本にも明治時代にはすでにアメリカ経由で導入されたようで、かつて宮内庁大膳職主厨長で「昭和天皇の料理番」と称された秋山徳蔵氏の「味と舌」という著書の中では、『アイスクリームのように溶けてしまう。実に素晴らしい逸品』、『あれこそ果物の王である』と記されています。

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 しかし、一本の木からの収量がとても少ないことや、病気に弱いことなどから栽培が難しい品種で、生産量は非常に少なく、高級フルーツとして扱われ、質の良い物は贈答用などに用いられています。

 名称はフランス名”Doyenne du Comice”の発音から「ドワイエンヌ・デュ・コミス」としていることも多いですが、フランス語では”ドワインヌ”と”ドワインヌ”のどちらともとれる発音なのでどちらの表記でも構いません。また、単に「コミス」とも呼ばれています。

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●ドワイアンヌ・デュ・コミスの特徴

 果実の大きさは250~350gほどで、色は柔らかい黄緑色から、熟すと全体に黄色くなってきます。

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 熟した果肉はきめ細かで柔らかく滑らかな舌触りで、甘さと酸味のバランスが絶妙に調和した上品な味わいと、西洋梨らしい芳醇な香りが堪能できます。

●実際に食べてみたドワイアンヌ・デュ・コミスの食味

 2020年に撮影試食したのは11月末に届いた宮城県産のもので、1果320g前後でした。

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 果肉の舌触りはとても滑らかで果汁も多く、甘味と共に程よい酸味もありとても美味しい洋梨でした。糖度は13度を少し超えるくらいでした。

■ドワイアンヌ・デュ・コミスの主な産地と旬

●主な産地と生産量

 ドワイアンヌ・デュ・コミスは収量が少ないことや病気に弱いことなどから栽培はとても難しく、安定して出荷できる栽培農園は全国でも数えるほどしかないといわれています。現在市場に出回っているのは山形県産や福島県産などが中心となっています。

 農林水産省がまとめた平成30年産の栽培面積では山形県が3ha、福島県が1haのみとなっています。

●ドワイアンヌ・デュ・コミスの収穫時期と旬

 収穫は10月初旬頃から始まり、遅いところでは11月頃まで続きます。食べ頃の旬は10月中旬頃から11月上旬頃までとなります。

 生産量が少なく、出回る量が限られているので、お店に並ぶのはほんの数日という場合が多く、見かけたら即買いしないと買いそびれてしまうことが多いでしょう。

旬のカレンダー 9月 10月 11月 12月
ドワイアンヌ・デュ・コミス                        

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