コンファレンス(Conference pear):来歴や特徴と産地や旬
●洋梨コンファレンスとは
「コンファレンス」という西洋梨は日本ではまだあまり作られておらず希少な品種ですが、1880年代にイギリスで発見されてから今日に至るまで100年以上ヨーロッパやアメリカなどで栽培され広く親しまれている代表的な品種です。
◆洋梨コンファレンスの来歴
「コンファレンス」は英名”Conference pear”を音読みしたもので「コンフェレンス」と表記しているのも多くみられます。
この西洋梨はイギリスのハートフォードシャー州ソーブリッジワースでリバーズナーサリーと いう苗木店を営むトーマスフランシスリバーズ(Thomas Frances Rivers)氏が1884年に彼の園地で発見した「レオンレクレールデラバル(Leon Leclerc de Laval)」の交雑実生で花粉親は不明とされています。
その後、王立園芸協会が英国の果物を宣伝するため1885年にロンドンで開いた英国梨会議および1888年にチズウィックで開かれたリンゴと梨会議においてトーマスフランシスリバーズ氏が議長を勤め、そこでこの梨を紹介し、そこで一等賞をとったことから”Conference pear”として世に知られるようになりました。
要約すると、イギリスで行われた英国梨会議”Conference”で一等賞となった梨”Pear”として「会議梨”Conference pear”」と名付けられたという事です。
この梨は現在もイギリスをはじめ各地で広く栽培され親しまれています。日本に導入された時期などは不明ですが、国内では生産者は少なく希少な品種となっています。
◆洋梨コンファレンスの特徴
「コンファレンス」の果実は果重300~350gで西洋梨としては中サイズです。果形は首が細長く伸びた縦長の美しい形をしています。
果皮色は緑色から追熟が進むにつれ黄緑色になります。食べ頃の見極めは果梗の付け根から首にかけてあたりを触ってみて少し柔らかくなってきた頃が食べ頃です。
「The Book of Pears (Joan Morgan 著) 」の中で「コンファレンス」は以下のように紹介されています。
『淡いクリーム色の果肉はバターのように滑らかにとろけ、とてもジューシー。完全に熟した時はしばしば中心部がサーモンピンクがかった色になり、甘みが増し、香水のような香りがあふれてきます。』(自訳)
◆実際に食べてみた洋梨コンファレンスの食味
撮影試食した「洋梨コンファレンス」は10月1日に届いた長野県のライラック農園産です。
果重は320~340gほどでどれも綺麗な形で、1果を除いてサビも少なく全体に黄緑色でした。
届いたその日に食べたものは、果肉はそう硬くはなかったのですが、甘味が少なく、サラサラした粉っぽい舌触りで正直美味しくはありませんでした。
ところがその後11日間追熟させてから食べたものは舌触りが滑らかになり、甘味とそれを引き立てるような程よい酸味もありとても美味しくなっていました。
●洋梨コンファレンスの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「コンファレンス」は生産量が少ないため、農林水産省の平成30年産特産果樹生産動態等調査では品種の栽培面積の記載がなくどこの産地が多く作っているのかなどは分かりませんでした。
産地として知られているのは長野県ですが、他にも宮城県など洋梨の産地で個々の農園で少量栽培はされているようです。
◆洋梨コンファレンスの収穫時期と旬
「コンファレンス」の収穫時期は9月下旬ごろ10月初旬にかけてです。食べ頃となるのはその後1週間から10日間ほど追熟させてからとなります。
品種 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
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コンファレンス |
< 出 典 >
※ 「THE STORY OF THE ‘CONFERENCE’ PEAR」By Greg Loades -Sep 6, 2017 The English Garden
※ 「CONFERENCE PEAR TREE」GardenFocused.co.uk