ナツミカン(夏みかん):特徴と旬や主な産地
■ナツミカン(夏みかん)とは?
●ミカン科ミカン属
夏ミカンはミカン科ミカン属の木になる果実で、ナツダイダイ(夏橙または夏代々)とも呼ばれています。
夏ミカンの変わっている所は、前年になった実を年を越して夏になっても収穫しないでおくと、今年は今年の実がなり、同じ木に前年と今年の両方の実が付いた状態になるそうです。その様子から代々続くという意味でも「夏代々」と名付けられたそうです。
原産は日本で、江戸時代に山口県の青海島で西本於長氏が海から流れ着いた柑橘の種を育てたのが最初と言われています。今でも山口県萩市で多く栽培されています。
●夏ミカンは酸が抜けるまで食べられない
夏ミカンは他のミカン類と同様に晩秋には黄色く色付きますが、その時点では酸味が強すぎて食べられません。冬まで待って収穫し、貯蔵して酸を抜くか、春先から初夏まで木成りで完熟させる事で酸が抜け食べられるようになります。このように初夏の時期に食べられるミカンと言う事で夏ミカンと呼ばれるようになりました。
●果実の特徴
果実は、やや扁平な形で大きく、果皮が厚く油胞が荒く表面が凸凹した感じになっています。中の果肉は、ジョウノウ膜も厚みがあり、そのままでは食べられません。ジョウノウ膜を剥き、サジョウだけを食べるようにします。サジョウは粒々がしっかりとしていて潰れにくく、口の中にぷりぷりとした食感が楽しめます。
味はそこそこ糖度はあるものの酸味が強いため、ほのかな甘みを包み込むような酸っぱさを感じますが、初夏にはこの甘酸っぱさがかえって爽やかで美味しく感じられます。
■主な産地と収穫量
●夏ミカンの全国の収穫量
平成25年の収穫量ですが、この政府のデータで示されている「なつみかん」には甘夏ミカンも含まれていると思われます。
山口県萩の夏みかんセンターによると、現在の主な産地は愛媛県・和歌山県・静岡県との事です。
■ナツミカン(夏みかん)の収穫時期と出回る旬
●夏ミカンは酸が抜けるのに時間がかかります
夏ミカンは晩秋位から黄色く色付き始めますが、その時点では酸味が強すぎてとても食べられるものではありません。そのまま年を越し、翌春の4月頃になるとその酸味が落ち着き食べられるようになります。なので収穫時期は4月中旬から6月頃までとなります。
しかし、夏ミカンは暖かい気候を好み、寒さには弱い性質があり、気温が低くなる地方では冬に木が耐えられず実を落としてしまう事がしばしば起こります。そういう地方では年末から年明けにかけて収穫してしまい、貯蔵する事によって酸味を落ち着かせるようにしています。
●美味しくなる食べ頃の旬
上記の事を踏まえ、夏ミカンが美味しく食べられる旬の時期は4月下旬から5月下旬にかけてとなります。
旬のカレンダー | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | ||||||||
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ナツミカン(夏みかん) |