秋泉/しゅうせん/シュウセン:来歴や特徴と産地や旬
●秋泉(しゅうせん)とは
◆秋田県生まれの晩生種赤梨
「秋泉(しゅうせん)」は、1993(平成5) 年に「新星」に「豊水」を交雑し、そこから生まれた実生の中から2003(平成15) 年に1次選抜され、以後現地にて育成・調査が行われ2008(平成20)年に秋田県によって登録出願、翌2009年に品種登録された晩生種の赤梨です。
秋田県果樹試験場が育成した和梨として、苗木の販売は、当分の間、秋田県内のみに限られています。
◆秋泉(しゅうせん)梨の特徴
「秋泉(しゅうせん)」の果実は500~800gと大玉で、果形は奇麗な丸いものが多く、果肉は多汁で甘味が強く酸味は少なめとなっています。
日持ち性は、室温で2~3週間程度だそうです。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の形は円形、梗あの深さは浅、梗あの幅は中、がくあの深さは浅、がくあの幅はやや狭、
果実の大きさは大、
果皮の色は黄赤褐、果点の大きさは大、果点の粗密はかなり密、果面の粗滑(赤なし品種に限る)は粗、
果柄の長さは長、果柄の太さは中、肉梗の有無は無、
果芯の形は紡錘形、果芯の大きさは小、
果肉の色は白、果肉の硬さはやや軟、果肉の粗密は密、果実の甘味は高、果実の酸味は弱、果汁の多少はやや多、
種子の大きさは中、種子の形は長卵形、
開花始期は早、成熟期は晩である。
出願品種「秋泉」は、対照品種「豊水」と比較して、葉柄の長さ/葉身の長さの比が小であること、果実の酸味が弱であること等で区別性が認められる。 -----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみた秋泉(しゅうせん)の食味
今回入手したものは12月中旬を過ぎた頃に売っていたもので、果実は一玉570g前後で、梨としては大きい方ですが秋泉としては小ぶりでした。
果実の皮はやや厚く、表面は果点のコルク質でざらついた感じでした。
果肉は白く、断面から果汁の多さが見て取れます。
果肉の歯触りはとても軽く、果汁をたっぷりと含んだ柔らかい細胞の中に少し粗い石細胞が感じられます。口の中に果汁とともに甘味が広がり、味を少し引き締める程度の酸味が含まれていてとても美味しい梨でした。12月にこれほどおいしい梨を食べられるとは有り難いです。
●秋泉(しゅうせん)の主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「秋泉(しゅうせん)」は当面の間、秋田県でしか栽培が認められていない産地限定品種となっています。主な産地は男鹿市や大館市など。
◆秋泉(しゅうせん)の収穫時期と旬
「秋泉(しゅうせん)」は秋田県において10月上旬から中旬に収穫される晩生種です。
和梨なので貯蔵はできますが追熟はせず、食べごろの旬は収穫時期ということになりますが、ここ数年の様子を見ている限りでは10月中旬に市場に出回りだしているので、旬は10月中旬から11月上旬辺りにかけてと思われます。
品種 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | ||||||||
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秋泉(しゅうせん) |