愛宕(あたご)梨の来歴や特徴と産地と旬
■愛宕(あたご)梨とは?
◆愛宕の来歴
梨の中では最大クラスの品種として知られる「愛宕」は1915(大正4年)に菊池秋雄氏が命名した赤梨で、交配親は「二十世紀梨」と「今村秋梨」とされています。名前は育成地が愛宕山に近かったことにちなんでいるそうです。
●愛宕(あたご)の特徴
愛宕梨(あたごなし)の最も大きな特徴はその大きさで、平均で1kgほどにもなり、赤ちゃんの頭と同じくらいです。大きいものだと2kgにもなるようです。
果形はリンゴのように肩の部分が大きく、ていあ部側が狭い形になる傾向があり、大きくなることもあってごつごつとした荒々しさが感じられます。下の写真はていあ部(尻)を上にして撮ったもの。
果肉はシャキシャキとした食感で非常に果汁が多く程よい甘さに柔らかい酸味があります。
貯蔵性が非常に高く、新高梨よりも優れ、翌春まで美味しいものが出回ります。家庭でも涼しいところに置いておけば一ヶ月近くはもちます。
■愛宕(あたご)梨の主な産地と食べ頃の旬の時期は
●全国の愛宕(あたご)梨の栽培面積
愛宕梨(あたごなし)は全国でも岡山県が栽培面積が一番広く、中でも西大寺雄神地区は主も大きな産地とされています。
全国の生産量を見ると、岡山が全国のおよそ半分を占め、次いで鳥取県、愛知県と続いています。
福岡県八女産の愛宕梨は「太陽」という商品名でも出荷されているようです。
愛宕梨の栽培面積は新しい品種への転換や、生産者の高齢化と後継者不足などにより、年々減少しています。平成20年産では全国で92.8haとなっていたので、この10年ほどで34ha、10年前の37%ほど減ったことになります。
●愛宕梨(あたごなし)の収穫時期
愛宕梨(あたごなし)の収穫は11月の中旬頃から始まり12月中旬頃までとなっていますが、収穫してすぐは酸味が強く、追熟させてから出荷され市場に多く出回るのは12月上旬頃からとなります。
また、非常に貯蔵性が高く、翌年の春まで美味しい状態のものが出回り続けます。食べ頃の旬の時期は12月中旬からよく年の2月くらいまでとなります。
旬のカレンダー | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | ||||||||||||
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愛宕(あたご) |