恋みらい/こいみらい:来歴や特徴と産地や旬

恋みらい/こいみらい 桃 もも

●恋みらいとは

◆恋みらいの来歴

 「恋みらい」は株式会社福島天香園によって交配育成され、2003年に品種登録された桃です。正確には恋みらいには「恋みらい1号」から「恋みらい3号」まで3種が姉妹品種として同時に登録出願され品種登録されています。どの品種も「暁星」を交配親に持つという共通点があります。

 それぞれの概要は農林水産省の品種登録データベースに以下の通り記載されています。

▶恋みらい1号

 「まなみ」に「暁星」を交配して育成されたものであり、果形が扁円、果実の大きさがやや大、果皮の地色及び果肉の色が乳白の育成地(福島県伊達郡国見町)では7月中旬に成熟する早生種である。

▶恋みらい2号

 「ゆうぞら」に「暁星」を交配して育成されたものであり、果形が扁円、果実の大きさが中、果皮の地色及び果肉の色が乳白の育成地(福島県伊達郡国見町)では7月下旬に成熟する早生種である。

▶恋みらい3号

 「川中島白桃」に「暁星」を交配して育成されたものであり、果形が円、果実の大きさがやや大、果皮の地色及び果肉の色が乳白の育成地(福島県伊達郡国見町)では7月下旬に成熟する早生種である。

◆恋みらいの特徴

恋みらい/こいみらい 桃 もも

 それぞれの果実の特徴は農林水産省の品種登録データベースに以下の通り記載されています。

▶恋みらい1号の特徴

『----

 果実の外観は扁円、果頂部の形は平~凸、凹みは浅、梗あの深さは深、広さは中、赤道部及び果頂部の縫合線の深さはやや浅、果実の大きさはやや大、

 果皮の地色は乳白、着色の多少はやや多、濃さは中、形は条~ぼかし、果面の毛じの有無は有である。

 切った直後の果肉の色は乳白、果肉内の着色はやや少、核周囲の着色、果肉の粗密及び果肉繊維の多少は中、果皮の剥離性はやや難、肉質は溶質、果汁の多少は多、甘味はやや多、酸味は中、渋味は微、苦味は無、香気は微である。

 核と果肉の粘離は粘核、核の形は短楕円、大きさはやや大、色は淡褐、核面の粗滑は中である。

 開花期及び発芽期は中、成熟期(満開から成熟までの日数)は91~100日で育成地においては7月中旬である。

 果実の着色の難易は易、生理落果の多少は少、核割れの多少は中、裂果は微である。

 「日川白鳳」及び「暁星」と比較して、果皮の着色の濃さが淡いこと、核周囲の着色が多いこと等で区別性が認められる。』以上、抜粋。

▶恋みらい2号の特徴

『----

 果実の外観は扁円、果頂部の形は凹、凹みは浅、梗あの深さ及び広さは中、赤道部及び果頂部の縫合線の深さはやや浅、果実の大きさは中、

 果皮の地色は乳白、着色の多少は多、濃さはやや濃、形は斑~条、果面の毛じの有無は有である。

 切った直後の果肉の色は乳白、果肉内の着色は微、核周囲の着色は無、果肉の粗密はやや密、果肉繊維の多少は少、果皮の剥離性はやや易、肉質は溶質、果汁の多少は多、甘味はやや多、酸味及び渋味は少、苦味は無、香気は微である。

 核と果肉の粘離は半離~半粘、核の形は短楕円、大きさはやや大、色は淡褐、核面の粗滑は中である。

 開花期及び発芽期は中、成熟期(満開から成熟までの日数)は91~100日で育成地においては7月下旬である。

 果実の着色の難易は易、生理落果及び核割れの多少は少、裂果は微である。

 「日川白鳳」及び「暁星」と比較して、果肉内の着色が少ないこと、核と果肉の粘離が半離~半粘であること等で区別性が認められる。』以上、抜粋。

▶恋みらい3号の特徴

『-----

 果実の外観は円、果頂部の形は平~凸、凹みは浅、梗あの深さは深、広さは中、赤道部及び果頂部の縫合線の深さはやや浅、果実の大きさはやや大、

 果皮の地色は乳白、着色の多少はやや多、濃さはやや濃、形は条~ぼかし、果面の毛じの有無は有である。

 切った直後の果肉の色は乳白、果肉内の着色は中、核周囲の着色は少、果肉の粗密はやや粗、果肉繊維の多少はやや少、果皮の剥離性は中、肉質は溶質、果汁の多少は多、甘味はやや多、酸味及び渋味はやや少、苦味は無、香気は微である。

 核と果肉の粘離は粘核、核の形は短楕円、大きさは中、色は淡褐、核面の粗滑は中である。

 開花期及び発芽期は中、成熟期(満開から成熟までの日数)は91~100日で育成地においては7月下旬である。

 果実の着色の難易は易、生理落果及び核割れの多少は少、裂果は微である。

 「日川白鳳」及び「暁星」と比較して、がく筒内壁の色が濃黄であること、核周囲の着色が多いこと等で区別性が認められる。』 以上、抜粋。

◆実際に食べてみた恋みらいの食味

 今回入手した物は7月中旬の京都府久美浜産です。どの「恋みらい」なのかは記載されておらず不明ですが、切った断面や食べた感じでは「恋みらい2号」ではないかと思います(あくまでも私見です)。

恋みらい/こいみらい 桃 もも

 形はやや左右の大きさに差があるものが多いですが綺麗な球形で果皮は全体に良く色づいていました。

 縫合線に沿って包丁をぐるりと一周入れ、左右をつかんでひねってみましたが種と果肉は強くついていて割ることはできませんでした。

 種の周りは全く赤く着色はしておらず、種と果肉が完全に一体化しているのが分かります。

 果肉はち密でやや硬く感じましたが、甘みはしっかりとあり渋みはほとんど感じませんでした。ただ、香りは少し弱い感じです。

●恋みらいの主な産地と旬

◆主な産地と生産量

 「恋みらい」は民間の種苗メーカーが育成した品種で、全国どこの産地でも栽培が可能となっています。

 農林水産省がまとめた平成28年産特産果樹生産動態等調査には「恋みらい2号」の栽培面積だけが記録としてあり、そこには福島県で9.5haのみとなっています。

◆恋みらいの収穫時期と旬

 「恋みらい」の収穫時期は福島県において1号が7月中旬から。2号及び3号は7月下旬からとなっています。産地が南になれば幾分収穫時期も早くなるので、出回るのは7月上旬ごろから8月上旬ごろにかけてとなります。

旬のカレンダー

品種 6月 7月 8月 9月
恋みらい                        

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