おどろき:来歴や特徴と産地や旬
●おどろきとは
◆カリッと硬いタイプの桃
「おどろき」は品種登録データベースによると『「白風」の枝変わりであり、着色良好、果形が扁円の大果で、育成地(長野県佐久市)において8月下旬に成熟するやや晩生種』と記載されています。ここに出てくる「白風」とは??聞いたことがない名前なのですが、ひょっとしたら「白鳳」の誤記かもしれません。ただ、それにしては「白鳳」とは果実の特性が違い過ぎる気もします。
長野県佐久市において大井守人氏が枝変わりとして発見し育成した大玉の桃品種で、1989(平成元)年に登録出願、1991(平成3)年に品種登録されています。
◆おどろきの特徴
農林水産省の品種登録データアベースには以下の通り記載されています。
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果実の外観は扁円、果頂部の形は凹、果頂部の凹は深、梗あの深さは深、梗あの広さ、赤道部及び果頂部の縫合線は中である。
果実の大きさは極大(300~350g程度)、果皮の地色は乳白、着色は極多、着色の濃さはやや濃、着色の形はぼかし(条も僅かに入る)である。
切った直後の果肉の色は乳白、果肉内の着色は少、核周囲の着色は微である。
果肉の粗密はやや密、果肉繊維の多少はやや少、果皮の剥離性は難、肉質は不溶質である。
果汁の多少は中、甘味は多(糖度14度程度)、酸味は微である。
------------以上、抜粋。
「おどろき」は果実の大きさと、果肉の硬さに大きな特徴があり、市場に出回っているものの大きさは350~450gの大玉が多いです。また、完熟しても白鳳などのように柔らかくはならず、柿のようなかりっとした食感の桃です。そのため、収穫後の日持ちが良く、お供え物やコンポートなどの加工にも適しています。
◆実際に食べてみたおどろきの食味
今回入手したものは長野県産の一玉420g程ある大きめの物でした。
皮は全体によく色付いていましたが、手で剥くことはできず、ナイフで剥いています。
果肉は硬めですがカリッとするほどではなく、繊維感が少なく舌触りは滑らかでした。
香りは弱かったですが、甘みが強く、これはこれで美味しいと感じました。
●おどろきの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
おどりきの主な産地は山形県、長野県、秋田県などです。農林水産省がまとめた平成27年産のおどろきの栽培面積は全国で23.7haで、その半分強を山形県が占めています。
◆おどろき収穫時期と旬
育成地の長野県佐久市において8月下旬に成熟するやや晩生種となっており、出回るのは8月下旬頃から9月中旬頃までとなります。
品種 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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おどろき |