かぐや:来歴や特徴と産地や旬
●かぐやとは
◆かぐやの来歴
「かぐや」は福島県福島市飯坂町の菅野但夫氏が自園で増殖した「あかつき」より発見した極晩生種とされ、2010年に山形県天童市の果樹苗木生産販売を営む株式会社イシドウによって種苗法に基づく登録出願、2013年に品種登録されています。
登録されている正式な品種名は「かんのT7号」で、「かぐや」は出願公表時の名称となっており、株式会社イシドウによって商標登録されています。
◆かぐやの特徴
「かぐや」の果実は果重300g~350gと「あかつき」よりやや大きく、果形は扁円形で、果皮は無袋で全面濃紅色に着色します。
果肉はやや硬く繊維感があまりない溶質となっています。「あかつき」との違いは果肉が同じような白肉でありながら、核周囲が赤く着色することと収穫時期が晩成であることです。
糖度は高い割に酸味が少なく、果汁が多い食味の良い桃となっています。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の大きさはやや大、果実の形は扁円形、果頂部の形は広浅凹、果実の対称性は対称、縫合線の強弱は中、梗あの幅は中、
果実の地色は乳白、果実の着色の型はべた状,条状、果実の着色面積は極大、
果実の毛じの粗密は中、果皮の厚さは中、果皮の付着性は中、
果肉の硬さは中、果肉の地色は白、果肉のアントシアニン着色の強弱は無又は極弱、核の周辺のアントシアニン着色の強弱は強、
果肉の肉質は非繊維質、果実の甘味はかなり高、
核の大きさは中、核の横面の形は楕円形、核の褐色の濃淡は濃、核の表面の紋様は点・条、核割れの多少は無又は極低、核と果肉の粘離の有無は有、核と果肉の粘離の強弱は強、
収穫期は晩である。
出願品種「かんのT7号」は、対照品種「玉うさぎ」と比較して、節間長が短であること、果実の形が扁円形であること等で区別性が認められる。
対照品種「ゆうぞら」と比較して、蜜腺の数が3以上であること、果実の形が扁円形であること等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
◆実際に食べてみたかぐやの食味
撮影試食した「かぐや」はこの品種が生まれたのと同じ福島県福島市飯坂町の菱沼農園さんから取り寄せたもので、果重270gほどで「かぐや」としてはやや小ぶりでした。
果皮は濃淡がまだらな感じではありますが全体に良く着色し、表面に白い果点が現れているものもありました。
届いた日に切ってみると果肉は結構固く、食べるとコリコリした歯触りで、甘味も少なくあっさりした味わいでした。糖度は11.6でした。
その後1週間ほど室内で追熟させてから切ってみると、果肉はまだやや硬めでしたが、食べた時の食感はいい具合に柔らかくなっていました。串切りにすると、手でも皮がむける状態になっていました。糖度を計るとそれでも11度前後しかないものもありましたが、13度を越えるものもありました。
食感的には「あかつき」とよく似ている印象でとても美味しい桃ですす。
●かぐやの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「かぐや」の主な産地は福島県と山形県で、農林水産省がまとめている平成30年産特産果樹生産動態等調査によると全国の「かぐや」の栽培面積は福島県で4.0ha、山形県で1.7ha合わせて5.7haだけとなっています。
◆かぐやの収穫時期と旬
「かぐや」は晩成種で、苗木を販売してい株式会社イシドウの紹介では『福島市飯坂町でゆうぞらよりやや遅い9月10日頃。』となっています。
今回届いたのは8月25日だったので、年にによっては収穫が8月下旬ごろから始まる洋です。日持ち性は良い方なので食べ頃の旬は8月下旬から中旬頃にかけてでしょう。
品種 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | ||||||||
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かぐや |
< 出 典 >
※ 「かぐや KAGUYA」株式会社イシドウ ホームページ
※ 品種登録データベース 農林水産省ホームページ